(651) グライダーのように飛ぶ ニホンモモンガ

小さい体に大きな黒い目。ガラスごしにこっちを見ていた。しっぽを後ろにまいて、背中につけている。リスそっくりだ。でも、リスよりだいぶ小さい。
富山市ファミリーパークの郷土動物館。夜行性動物を集めた部屋にニホンモモンガがいた。「リス科の生きものです」と担当の森大輔(だいすけ)さん。どうりでリスによく似ているわけだ。
少し前のところに、ムササビもいた。「郷土動物館の生きものは全部、日本にいて、富山にもいる動物です」
モモンガもムササビも名前は知っていたけれど、ちゃんと見たのは初めてだ。「両方とも空を飛ぶ生きものだと知っていても、どっちがムササビでどっちがモモンガか区別がつかない人もいると思います」
こうして見ると、大きさからして全然ちがう。ムササビはモモンガよりずっと大きい。
空を飛ぶ方法は鳥とはちがう。モモンガもムササビも飛膜(ひまく)とよばれる膜を広げて、グライダーのように飛ぶ。滑空という飛び方だ。
「ここでも奥の方から手前に飛ぶことがあります」
中に入れてある木は本物だ。「モモンガにかじられてしまうので時々、入れかえます。ちょうどいい木がないか自分でさがしたり、園のみんなに教えてもらったりすることもあります」(文・写真、佐々木央)=2020年12月配信