×
メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

生きもの大好き

動物園や水族館にはさまざまな生きものがいる。その魅力(みりょく)を探ろう。

(634)ふだんとは別の時間の中に   ジュゴン<上> 

2021.10.28 11:00
日本の水族館で1頭だけのジュゴン、セレナ。全長2・6㍍、体重約380㌔
日本の水族館で1頭だけのジュゴン、セレナ。全長2・6㍍、体重約380㌔

 

 大きな白い体が、ゆったりゆったり泳いでいる。プールの奥の方からこちらに来たり、水面の方に上がって行ったり。見ていると、ふだんとは別の時間の中にいるような気持ちになる。
 三重県鳥羽(とば)市の鳥羽水族館でジュゴンを初めて見た。「世界で二つの水族館に、1頭ずつしかいません」と担当の半田由佳理(ゆかり)さん。ほかにはオーストラリアのシドニー水族館にいるだけだ。
 鳥羽にいるのはメスのセレナ。34年前、赤ちゃんのとき、フィリピンの海で親からはぐれていたところを保護された。鳥羽水族館はフィリピン政府とジュゴンの共同研究をしていて、セレナを育てるのにも協力した。
 それで日本とフィリピンの友好のあかしとして、1歳のとき鳥羽に来た。「セレナはフィリピンの言葉・タガログ語で人魚のことです」。ジュゴンは人魚伝説のもとになったと言われている。
 ジュゴンの飼育はとてもむずかしい。セレナはまだ赤ちゃんだったので、スタッフがミルクをやって育てた。すごく甘えんぼうだったそうだ。
 半田さんはジュゴンの担当になって27年になる。「でも水族館に入ったのはセレナの方が早くて『セレナ先輩』です。セレナはもう家族のような存在だけれど、先輩でもあるし、ジュゴンのことをたくさん教えてくれる先生でもあります」(文・写真、佐々木央)=2020年8月配信

プールの前の親子の方に近づいてくる
プールの前の親子の方に近づいてくる

 

最新記事

関連記事 一覧へ