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文化

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生きもの大好き

動物園や水族館にはさまざまな生きものがいる。その魅力(みりょく)を探ろう。

(431)みんなの力で生きのびた バンドウイルカ

2018.6.7 16:33
 福井県坂井市の越前松島水族館にはラボというオスのバンドウイルカがいる。ラボはとても生きのびられそうもないところを切りぬけてきた。名前もそのことに関係している。担当の松原亮一さんの話を聞こう。
 
ラボが松原さんになでられている。安心しきっているようだ(越前松島水族館提供)
ラボが松原さんになでられている。安心しきっているようだ(越松島水族館提供)

 ラボはこの水族館で20年前に生まれました。まだ1歳にならない冬、ロシアのタンカーが浅瀬に乗り上げてこわれ、油が流れだして水族館にも入ってきた。全国からたくさんのボランティアが来て昼も夜も休みなく油をかきだしたけれど、イルカたちの命があぶない状況になりました。

 
 そこでほかの水族館に移すことにした。でも赤ちゃんイルカを長時間、移動させればふつうは死んでしまう。どうするか。
 
 お母さんと別々でなく、いっしょにトラックに積みました。いつもプールで泳いでいる形のまま、ラボがななめ前の母親を見るように。体に、なんこうをぬって、かわくのを防ぎ、移動の間じゅう水をかけ続けた。約5時間かけて神戸の水族園に着き、しばらくしてラボは母親に、よりそって泳ぎだしました。
 
 うまくいったのはなぜですか?「ボランティアの人に囲まれて、人間になれていたことが大きかったと思う。さわられても平気になっていたんです」
 ラボの名はボランティアのボラをひっくり返した。感謝の気持ちをこめているんだ。(文・写真、佐々木央)=2016年8月配信

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