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(581)地味だけどイチオシの魚   ムサシトミヨ 

2021.2.26 11:00
水槽を泳ぐムサシトミヨ(埼玉県羽生市の「さいたま水族館」提供)
水槽を泳ぐムサシトミヨ(埼玉県羽生市の「さいたま水族館」提供)

 

 埼玉県羽生(はにゅう)市にある「さいたま水族館」のイチオシはムサシトミヨだ。水族館のマスコットキャラクター「ムートくん」のモデルでもある。

 その水槽をのぞくと、体長5センチにもならないような小さな魚が泳いでいた。黒っぽい体色に、茶色がまじったりするけれど目立たない。うっかりすると見落としそうだ。

 「地味なのに、なんでイチオシなんですか」。飼育係長の大平信一(おおひらしんいち)さんに聞いた。

 「埼玉県熊谷市を流れる元荒川(もとあらかわ)の上流にしかいないんです。水が冷たくきれいで、水草が茂っていて、緩やかな流れの所にすみます」

 たしかにこの水槽も水草がいっぱい。水温も15度ぐらいだそうだ。

 昔はほかの場所にもいたけれど、埋め立てられたり、湧き水が出なくなったりして、すめなくなった。寿命は約1年。じゃあ、毎年、熊谷の川からとって来るんですか?

 「埼玉の県の魚、熊谷の市の魚になっていて、県の天然記念物でもあるので、とることはできません」。水族館の裏側で、担当の人たちが育てて、ふやしている。

 環境や水質の変化に弱い。「えさの食べ残しがあると水が汚れます。機械の故障にも注意しています」。水を循環させる機械や冷やす機械が止まったら、水質が悪くなったり、水温が上がってしまったりするからだ。(文・佐々木央)=2019年7月配信

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