(565)水中を泳ぐ 水面をとぶ ペンギン・亜南極ゾーン

山口県下関(しものせき)市の市立しものせき水族館「海響館」には「ペンギン村」がある。入ると、まず「亜南極(あなんきょく)ゾーン」だ。
「ペンギンは南極にいると思われがちですが、南極大陸だけで繁殖するのは18種のうち2種だけ。9種は南極のまわり、亜南極とよばれるところでくらしています」と担当の立川利幸(たつかわ・としゆき)さん。
ここにはキングペンギン、ジェンツーペンギン、イワトビペンギン、マカロニペンギンとインカアジサシという鳥がいる。
「ペンギン大編隊」の時間。飼育員さんがサインを出すと、ペンギンたちが、ものすごいいきおいで水中を泳ぐ。水面をジャンプする。インカアジサシはえさを空中キャッチする。
どうしてこんなに活発に泳ぐんですか?
「ペンギンは泳ぐために体をつくってきた動物です。だから泳ぐ姿を見てほしいという思いで、この大水槽をつくったんです」
プールは大きく深くした。水中にえさをまく装置(そうち)を付けたり、ペンギンが遊べるような道具をしずめたりしている。プール自体も複雑(ふくざつ)なつくりにして、あきないように。
プールの下はトンネルになっていて人が通る。「いろんな角度から見られます。陸上のかわいらしさも、水中を自由自在(じざい)に泳ぐ姿も見てください。よく観察してもらえれば何か発見があると思います」(文・写真、佐々木央)=2019年4月配信