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文化

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(504)ほこり高い野生の動物   タイリクオオカミ 

2019.1.26 14:22
夕方、岩場に立つタイリクオオカミ。すこしさびしげに見えた
夕方、岩場に立つタイリクオオカミ。すこしさびしげに見えた

 

 今年のえとは戌(いぬ)。イヌ科の代表的な動物にオオカミがいる。童話や絵本のイメージは「こわい」「ずるがしこい」。本当はどうなんだろう。
 東京・多摩動物公園にはタイリクオオカミが9頭もいる。見に行くと、広々とした運動場でのびのびくらしていた。歩きまわったり、ねそべったり。高い岩場に足をかけ、まわりを見わたしている1頭は、姿もかっこよく、かしこそうだ。
 飼育係の比留間麻海(ひるまあさみ)さんはおととし春から担当している。「それまではやっぱり、こわいのかなあ、あぶないのかなあと思っていました。でも今は愛らしいと思います」
 ガーッと、おどしてきたり、ほえかかってくることはなく、自分たちがこわいと思ったら、にげていく。「むれで狩りをするので、頭のよさがチームワークに生かされています。きずなをすごく大事にする生きものです」
 比留間さんも仲間のようになれたんですか? 「いいえ、かれらは人にべたべたすることはないし、こびたりすることもありません。わたしのことも、えさをくれる人っていう感じです」
 夕方、もう一度来てみると、4頭が空を見上げて遠ぼえをしていた。少し、もの悲しい声。合唱になったり、輪唱になったり。「野生のほこり高い生きものなんです」。比留間さんの言葉がわかるような気がした。(文・写真、佐々木央)=2018年1月配信

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