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(491)生態系ささえる生きもの ナンキョクオキアミ 

2018.12.23 13:31
透き通った体に赤がまじって美しい(名古屋港水族館提供)
透き通った体に赤がまじって美しい(名古屋港水族館提供)

 

 名古屋市の名古屋港水族館は、ナンキョクオキアミというエビに似た生きものの繁殖に、世界で初めて成功した。うまれた子どもがまた卵をうんで、もう9代目。

 飼育係の伊藤美穂(みほ)さんに成功の秘密を聞くと「お見せしますね」と飼育室に入れてくれた。めちゃくちゃ寒い。

 「気温0度です。ナンキョクオキアミがいる南極海は0度近い。だから水温を0度近くにするだけでなく、何かあって水温が上がりそうになっても室温で冷やせるように、部屋の中も0度なんです」

 伊藤さんたちはここで仕事する。ナンキョクオキアミの大人は5センチぐらいあるけれど、卵は0・6ミリ。一度に千個もうむ。それを見つけて、1個ずつピペットという器具で取り出す。「ゴム手ぶくろと軍手をはめてもだめなんです。冷たくて動かなくなってしまいます」

 数がものすごくたくさんなので、すべての個体をたした重さは、海洋生物の中で最大といわれている。

 「一番面白いのは卵からかえったばかりの幼生です。ダニみたいな形をして、小っちゃくても南極の冷たい海でいっぱい生きている。クジラに食べられ、ペンギンやアザラシに食べられ、それでも残って、生態系をささえている。すごい生きもの、力強い生きものだなって思います」(佐々木央)=2017年10月配信

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