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【4335】月桂冠 伝匠 百年酵母仕込み 純米吟醸 紅熟(げっけいかん でんしょう)【京都府】

2020.9.12 20:55
京都府京都市伏見区 月桂冠
京都府京都市伏見区 月桂冠

【E居酒屋にて 全9回の⑤】

 なじみのE居酒屋のバイトNさんからカラオケの勝負を挑まれた(E居酒屋にはカラオケ装置がある)。精密採点(コンマ3桁まで採点される)で勝負しようというわけだ。Nさんは、なかなかの自信家だ。課題曲は「危険なふたり」(沢田研二)と「最後もやっぱり君」(Kis-My-Ft2)の2曲。わたくしはこの1カ月、決戦に備えスナックやボックスなどで、この2曲の練習をしてきた。そしてこの日、さあ勝負だ! とE居酒屋に乗り込んだ。ところがNさんは所用ということで不在。なんということだ。

「古伊万里」「裏百楽門」「裏死神」「日下無双」と飲み進め、5番目にいただいたのは「月桂冠 伝匠 百年酵母仕込み 純米吟醸 紅熟」だった。「月桂冠」は当連載でこれまで、8種類を取り上げている。超大手蔵ではあるが、特定名称酒も安定感抜群の造りをしている、というイメージだ。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 甘い! これが第一印象。酸も出ている。全体として甘酸っぱい味わいで、非常にジューシー。香味は個性的で、アンズや木香が一緒になったようなものを連想する。

 蔵のホームページはこの酒の味わいを以下のように紹介している。

「『百年酵母』を使うことによってリンゴやアプリコット、パイナップルを思わせるやさしい甘味と程よい酸味が調和するジューシーな仕上がりに。春先に出来上がったお酒の一部を、低温で熟成、貯蔵させることにより、カドの取れたまるみのある味わいとなり深みも加わりました。食事とのマリアージュだけでなく、食前や、食後のリラックスタイムなどさまざまなシーンでもお楽しみいただけます」

 また、瓶の裏ラべルはこの酒を以下のように紹介している。

「月桂冠の蔵に住み着く酵母が『きょうかい2号酵母』として全国に頒布されたのは、1917年から1939年までの限られた間でした。頒布会開始から100年の時を経て、新たに醸したのが『伝匠 月桂冠 百年酵母仕込み』です。米は京都産米『祝』を全量使用。水は伏見の名水『伏水』を用いた、その産地の個性“テロワール”を感じさせる日本酒です。
平成31年の年明けに搾ったこのお酒を、低温で約200日間かけて熟成。ジューシーな甘みと酸味はそのままに、季節の移り変わりを経て熟成された味の丸みや奥行きが加わりました。さらに割水せず、充填時に火入れもしない生詰めの原酒としています。秋に木の実が熟して食べごろになるように、適度な熟成感のある『紅熟』の味わいをお楽しみください」

「きょうかい2号」について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「100年以上前になる1912(明治45)年に分離された月桂冠の蔵付き酵母【きょうかい2号】は、1917(大正6)年から1939(昭和14)年まで頒布されていました。当時の『日本醸造協会雑誌』1925(大正14)年には、『林檎のやうな芳香を放ち』、『酸の生成量及びアミノ酸の生成量は極めて少ない』と記されており、雑味の少ない良酒を醸していたことが伺えます。
月桂冠では頒布から100周年を迎えた2017(平成29)年に【きょうかい2号】酵母を使った酒造りを再開。2019(平成31)年に『百年酵母仕込み』として復活。ようやくお客様にお届けできるようになりました」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分15度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合60% 京都産米『祝』100%使用、製造年月2019年12月」。

 使用米について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「香り高く、ふくらみのある味わいの吟醸酒造りに向いた酒造好適米【祝】。『伝匠 月桂冠 百年酵母仕込み 純米吟醸 紅熟』では京都産の【祝】を全量使用しています。【祝】は戦後の食糧難の影響や栽培法の難しさから、1974(昭和49)年以降姿を消しました。しかし、1988(昭和63)年、伏見酒造組合の働きかけによって試験栽培法を改良し、栽培をスタート。
1992(平成4)年にその成果が実り、『祝』の日本酒が復活しました」

 新しい銘柄名「伝匠」のコンセプトについて、蔵のホームページは「後世に残したい匠の造る酒」「本当の日本酒の味を伝えたい 匠の想いが込められた、至極の味わいがここに」と説明している。

 酒名・蔵名の「月桂冠」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「当社は、1905年(明治38年)、勝利と栄光のシンボル『月桂冠』を商標登録し酒銘として使いはじめました。当時、自然や地名などをもとにした銘柄が多く用いられていた中で、ハイカラな酒銘として注目を浴びました」

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