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文化

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【4286】三好菊 疫病退散 アマビエ 特別純米(みよしきく)【徳島県】

2020.8.4 21:52
徳島県三好市 三芳菊酒造
徳島県三好市 三芳菊酒造

【B居酒屋にて 全8回の⑥】

 コロナ感染防止のための緊急事態宣言が解除された当地では、居酒屋が徐々に営業を再開している。なじみのB居酒屋も5月7日から営業を再開した。さっそく暖簾をくぐったが、まだ客は戻っていないようで、店長やスタッフは浮かない顔だ。しかし、居酒屋できちんと飲むのは1カ月ぶりというわたくしは、大張り切りで8種類の酒を飲んだ。

「獅子吼」「東一」「萩の鶴」「新政」「三芳菊 山廃 純米 生」と飲み進め、6番目にいただいたのは「三好菊 疫病退散 アマビエ 特別純米」だった。

 コロナ撲滅を願い、いま、あちこちでアマビエ商戦が盛んだ。何にでも妖怪・アマビエを利用している。そしてついに日本酒業界にもアマビエ登場だ。

 ウィキペディアは、アマビエを以下のように説明している。

「アマビエは日本に伝わる妖怪。海中から光をかがやかせるなどの現象を起こし、豊作・疫病などに関する予言をしたとされる。
 アマビエは、江戸時代後期に製作されたとみられる瓦版に類する刷り物に、絵と文とが記されている。肥後国(現・熊本県)の夜ごとに海に光り物がおこったため、土地の役人がおもむいたところ、アマビエと名乗るものが出現し、役人に対して『当年より6ヶ年の間は諸国で豊作がつづく。しかし疫病も流行がしたら、私の姿を描き写した絵を人々に早々に見せよ。』と予言めいたことを告げ、海の中へと帰って行ったとされる。
 瓦版に弘化3年4月中旬(1846年)という記載があることから、その年に出版されたものであると考えられている。姿形については添えられた挿絵(アマビエを目撃したとされる役人がその場で姿を写した物の写しであると記載されている)が存在しているが、本文には『図の如く』とのみ記載されており、具体的な言葉ではどのようなかたちのものであったかについての特徴は書き留められていない」

 この瓦版の挿絵に、長髪で鳥のようにとんがったくちばしの妖怪が描かれている。これがアマビエとされ、いまあちこちで使われているアマビエは、すべてこれがモデルになっている。今回のラベルも、ずいぶんキラキラモードだが、長髪にくちばし、という基本は守っている。

 今回のアマビエ酒発売について、地元徳島新聞は2020年3月27日付の電子版で、以下のように伝えている。

「徳島県三好市で130年以上続く老舗酒蔵・三芳菊酒造が、疫病よけに御利益があるとされる妖怪『アマビエ』のイラストをラベルに使った純米酒を発売した。新型コロナウイルスの感染拡大で三芳菊酒造と取引がある都内の飲食店なども利用客が激減して深刻な影響を受けており、『コロナ退散』の効果を期待されてSNS上などで話題のアマビエの力を疫病に加え『不況退散』にもつなげたい考えだ。
 新商品『疫病退散 アマビエのお酒』は、ラベルに阿南市出身のイラストレーター亀川苑花(そのか)さんのイラストを使用。かわいらしいアマビエ2体が会話する様子を『疫病退散!!』『コロナに負けるな!!』という吹き出しと共に描いている。2月上旬に仕込みを行い、3月12日に搾った県産山田錦の精米60%特別純米酒(火入れ)で、豊かな味わいながらすっきりとした後味に仕上がっている。
 アマビエは、江戸時代に熊本県の海から現れたとされる体の半分が人間、半分が魚の姿をしている妖怪だ。疫病の流行を予言した上で『私の姿を描いた絵を人々に見せろ』と言い残したと伝えられている。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて一躍脚光を浴び、SNS上ではプロの漫画家から一般の利用者まで、さまざまな人が独自のアマビエのイラストを投稿するなどして大きな話題を集めている。
 県内外の飲食店では新型コロナウイルスの影響で、例年なら送別会需要などでかき入れ時となるはずの3月の集客が激減しており、廃業の危機に直面している業者もいる。取引先のこうした窮状を耳にした三芳菊酒造社長で杜氏(とうじ)の馬宮亮一郎さんが、アマビエの絵を使った商品開発を思い立った。SNSなどで紹介したところ、早くも『購入したい』といった反響が多く寄せられているという。
 馬宮社長は『まだ大勢で集まれる状況ではないが、みんながお店や自宅でおいしいお酒や食べ物を楽しむことで景気が徐々に上向いてくれれば』と期待を込めた。『疫病退散 アマビエのお酒』は1800ミリリットル瓶2500円、720ミリリットル瓶1300円、180ミリリットルカップ400円(税抜き)。全国の特約店のほか、近く始める公式サイトの通信販売でも購入できる。問い合わせは三芳菊酒造 TEL 0883(72)0053」

 さて、アマビエ酒をいただいてみる。直前に飲んだ「三芳菊 山廃 純米 生」より、かなりマイルドな口当たりだ。果実的香りの陰に、菌類的あるいは木香的な生酛酒っぽい含み香。酸は最初あまり感じなかったが、飲み進めるにつれ、だんだん酸が前に出てくるようになり、甘酸っぱい味わいになっていく。そしてややジューシーで、やや濃醇だが、従来の甘みが強くどっしり感のある「三芳菊」のイメージと比べるとけっこう軽快感がある。余韻の辛みが長く、押し味がある。

 瓶のラベルのスペック表示は「アルコール分17度、徳島県産山田錦100%使用、原材料名 米(徳島県産)米麹(徳島県産米)、精米歩合60%、製造年月2020.4」。

 酒名「三芳菊」の由来について、コトバンクは「その香芳しく、その色淡く、その味美しき」の意味を込めて命名」と説明している。

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