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文化

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【4143】六根 山廃純米(ろっこん)【青森県】

2020.2.16 14:30
青森県弘前市 松緑酒造
青森県弘前市 松緑酒造

【H居酒屋にて 全4回の①】

 なじみのH居酒屋から電話がかかってきた。「新しいお酒が入りましたよ」。分かった、すぐ行く。わたくしは、H居酒屋に、1行コメント付きの酒メニューをつくってあげている。酒名と値段だけの一般的メニューだと、お客さんは何がなんだか分からない。そこで、酒質を分かりやすく解説したメニューをつくってあげている。お客さまには好評だという。このコメントを書くには、まず飲まなければならない。

 まずいただいたのは、「六根 山廃純米」。当連載でこれまで、「六根」を5種類取り上げている。さて、いただいてみる。 

 酒蛙「甘みと辛み・苦みを感じる」
 店主「軽く感じる。わっ、苦みが強い。酸を強く感じる」
 酒蛙「余韻の辛み・苦み・渋みが強くて、長く続く」
 店主「押し味が強い」
 酒蛙「甘みが出ているが、辛み・苦み・渋みの陰にいるイメージ」
 店主「『六根』初の山廃だそうですよ」
 酒蛙「甘みが出ているが、旨みは少ない。酸が出ており、辛みと苦みが強いので、素朴で力強いお酒に感じる」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「長期低温発酵により米の旨味をじっくりと引き出しました。豊かなコクと切れ上がりの良い後味が特徴の山廃純米原酒です」

 裏ラベルのスペック表示は「製造年月19.11、華吹雪100%使用、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分19度、精米歩合70%」。

 使用米の「華吹雪」は青森県農業試験場が1974年、母「おくほまれ」(祖母が「山田錦)と父「ふ系103号」(祖母が「ササニシキ」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、1988年に品種登録された酒造好適米だ。「華吹雪」は、全国的人気の「田酒 特別純米」(青森県)に使われているほか、「飛露喜」(福島県)が大ブレークしたきっかけとなった「飛露喜 特別純米 無濾過生原酒」にその当時使われたコメとして知られる。

 ラベルで目に付くのは「KJマーク。これは、KJ(KOSHER JAPAN)のことで、ユダヤ教の教義に厳格に従った食品である「コーシャ」の認定を受けたことを意味する。

 酒名「六根」は、青森県津軽地方の伝統民俗行事「お山参詣」(岩木山に登り、五穀豊穣家内安全に感謝するまつり)の掛け声の中の「六根懺悔」にもともとは由来したものとみられる。

 以前、「六根」の酒瓶の裏ラベルには、蔵元さんの以下の口上が書かれていた(今は無い)。「三蔵法師が伝えた般若心経は、私たちの言う五根(五感)について説いています。五根をいかすには、もうひとつ意根が働かなければなりません。人は六根ではじめて真実を知り、本物を感知、理解することができると説いています。
心をこめて造り
心で感じて飲む酒
この酒を六根と名づけさせて頂きました」

「六根」の蔵名は以前、齋藤酒造店だったが、今は松緑酒造に改名している。この蔵の古くからの主銘柄は「松緑」である。

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