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【3718】栄光冨士 森のくまさん:熊太郎 純米大吟醸 無濾過生原酒 熊本城復興祈念(えいこうふじ)【山形県】

2019.2.10 20:46
山形県鶴岡市 冨士酒造
山形県鶴岡市 冨士酒造

【B居酒屋にて 全5回の⑤完】

 ウイークデーの夕方。会社から帰宅後、ふらりとB居酒屋へ。この店は、冷蔵庫に入れている酒の種類数が多い。しかも、時々、入れ替えもしている。だから月に1回、暖簾をくぐることにしている。新しい酒を知ることができ勉強になるし、当連載の取材にもなる。

「東力士 熟露枯 山廃 純米 洞窟貯蔵冷温熟成酒 原酒」「富久福 純米 michiko90 無濾過原酒 火入れ」「三連星 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒」「写楽 純米吟醸 なごしざけ 羽州誉 一回火入」と飲み進め、最後5番目に選んだのは「栄光冨士 森のくまさん:熊太郎 純米大吟醸 無濾過生原酒 熊本城復興祈念」だった。

「栄光冨士」は、けっこう飲む機会が多い酒で、今回の酒を含め、当連載で10回取り上げている。行きつけのB居酒屋とZ料理屋が、ともに「栄光冨士」をよく置いているからだ。濃醇で甘旨酸っぱい味わいの酒、というイメージがある。

 今回のお酒は、地震被害を受けた熊本城の復旧のために、売上金の一部を寄付しようというもの。さて、いただいてみる。

 上立ち香は、過熟果実のような香り。含むと、フルーティー&ジューシー、芳醇。甘旨酸っぱくて濃醇。甘・旨・酸の中でも甘が一番出ており、飴を煮詰めたような甘みというイメージ。これまで飲んだ「栄光冨士」の中でも甘みが一番立っているような気がする。一度に比べて飲んだことがないので、単なる気のせいかもしれないが・・・。

 瓶の裏ラベルには、「熊本城の被害総額634億円」と題し、寄付の趣旨を以下のように説明している。

2016414日(木)2126分。『震度7』を観測した大きな地震が熊本県で発生しました。『加藤清正公』が改築したとされている名城『熊本城』も、甚大な被害に見舞われました。熊本市は、熊本城の被害額だけでも『石垣・425億円』+『重要文化財建造物・72億円』+『再建・復元建造物及びその他公園施設』の総額を634億円と試算しており、地震前の状態にする為には20年の歳月が必要とも言われております。まだまだ皆様のお力添えが必要と想うに至り、熊本県産の『森のくまさん』と言うお米を醸したお酒を『ドネーション・プロジェクト』として起ち上げました。本商品の売上の一部より、今後継続的に熊本城の復興に対し、直接寄付をさせて頂きます」

 裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用酒米 森のくまさん100%、酒米産地 熊本県、精米歩合50%、使用酵母 山形酵母、日本酒度 +3.0、酸度1.7、アミノ酸度1.0、アルコール分16.7度、製造年月20184月」。

 使用米の「森のくまさん」は、熊本県農業研究センター農産園芸研究所が1989年、母「ヒノヒカリ」と父「コシヒカリ」を交配、選抜と育成を繰り返し品種を固定。1996年に命名、2000年に種苗法登録された主食用米。

 さて、山形県鶴岡市の酒蔵が、なぜ、かなり離れた熊本城復旧のために努力するのか。それはこの冨士酒造が、熊本城を改築し名城にしたとされる戦国武将・加藤清正ゆかりの蔵だからだ。その関係について、「栄光冨士 純米大吟醸 無濾過生原酒 ZEBRA2017」(当連載【3225】)の裏ラベルが「蔵元・加藤家の歴史」と題し、加藤清正と蔵の関係について、家系図付きで以下のように説明している。

「戦国武将・加藤清正公の嫡男・加藤忠廣公は、長兄・虎熊、次兄・熊之助が早世した為、11歳の若さで家督を継ぎましたが、1632年に改易の沙汰があり、母・正應院や側室、乳母、女官、20名の家臣と共に、出羽の国の丸岡(現在の山形県鶴岡市)に配流され、この地で一男一女を授かりました。この一女・妙延が大山地区・加藤家の祖となったとされております」

 また、酒名「栄光冨士」の由来について、ほかの「栄光冨士」の裏ラベルは、以下のように説明している。

「江戸幕府第10代将軍・徳川家治の時代、安永7年(1778年)、第4代加茂屋・加藤専之助有恒(せんのすけ・ありつね)が、当時天領とされていた大山地区(現在の山形県鶴岡市)にて、親戚筋の加藤治右衛門より酒株24株を入手し、酒銘を『冨士』と定め酒造業を開始致しました。昭和30年代に『栄光』の2文字を冠し『栄光冨士』として商標を登録致して以来、裏表の無い昔ながらの酒造りと共に、四季醸造に取組んでおります」

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