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文化

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【3691】香露 特別純米(こうろ)【熊本県】

2019.1.12 16:41
熊本県熊本市 熊本県酒造研究所
熊本県熊本市 熊本県酒造研究所

【日本酒研究会月例会 全6回の②】

 異業種の酒飲み人が月1回、M居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。毎月欠かさず開き、足かけ12年になる。今回は、フルメンバー8人のうち4人が参加した。

 店主が「想天坊 高嶺錦 純米吟醸」に続いて持ってきたのは「香露 特別純米」だった。協会9号酵母発祥蔵として知られるこの蔵の主銘柄「香露」は、今回の酒を含め、当連載で3種類を取り上げている。さて、いただいてみる。

 酒蛙「やわらかい。甘みが出ている。しかし、くどくはない。紹興酒をおもわせる含み香」
 Y 「うん、紹興酒を連想できる香りだ」
 SA「飲みやすい」
 Y 「嫌みじゃない甘みだ」
 酒蛙「それにしても独特な香味だ。表現が難しい」
 Y 「俺はあまり飲んだことがないような」
 K 「美味しい、美味しい」
 酒蛙「甘旨酸っぱい。キレが良い」
 Y 「うん、キレはいいっすね」
 酒蛙「紹興酒をおもわせる個性的な香味だけど、甘旨酸っぱくて美味しい。美味しいね~♪ ひとことで言うならば芳醇甘旨口酒」

 瓶の裏ラべルの表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合58%、アルコール分15度、製造年月2018.07」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。しかし、蔵のホームページによると、以下のように開示している。

「【原料米】熊本県産《九州神力》《いただき》・福岡県産《山田錦》、【精米歩合】麹米58%・掛米58%、【酵母】熊本酵母、【アルコール度】15度、【日本酒度】-4、【酸度】1.6、【アミノ酸度】1.9」

 この酒は、日本名門酒会の企画「蔵元定番」にエントリーされている。名門酒会のサイトは、この酒を以下のように紹介している。

「旨味と酸のバランスが絶妙、吟醸造りを牽引した蔵の特別純米酒」「協会9号酵母発祥蔵、吟醸造りをリードしてきた蔵が造る特別純米酒。原料米から引き出された充分な甘さをともなう旨味と、発酵からもたらされる心地よい酸味が調和。冷やはもちろんお燗でも美味しく、ぬる燗にするとより濃厚な味わいをお楽しみいただけます。バランスのとれた味わいは、幅広い料理に合います」
 
 使用米のひとつ「神力」については、オエノングループのサイトが「『神力』物語」と題し、以下の解説文を掲載しているので転載する。

「言い伝えによると・・・

明治10年、兵庫県の農業家丸尾重次郎が、自分の水田に特別に穂の重い稲が生長しているのを発見しました。わずか3本の穂を種にし、苦心して改良したところ、この品種からは大粒で多くの米が収穫できたことから“神から賜った米”として『神力』と名付けられました。次第に『神力』の評判が近隣に広がり、丸尾重次郎は『神力翁』と呼ばれるようになりました。

抜群な収穫量を誇り、全国に普及した『神力』は、『麹がつくりやすく、もろみで溶けやすく、酒に雑味を与える成分が少ない』という性質から、酒造好適米としても高い評価を受けるようになります。しかしながら、昭和の初めになると、稲作形態の変化と激しい品種改良競争のなかで、姿を消すこととなりました。

それから、半世紀近い年月が流れ、“幻の米”となった『神力』は、酒造りに適した性質が再び見直され、復活を果たします。丸尾重次郎は『神力』の繁栄を見ずに逝去しましたが、『神力』は今も人気の酒造好適米として、また、多くの酒造好適米の祖先米として、後世に脈々と受け継がれています」

 また、「いただき」は、農林水産省北陸農業試験場地域基盤研究部稲育種研究室が1989年、母収4885(どんとこい)と父「収4695」を交配、選抜と育成を繰り返して品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された主食用米。

 酒名「香露」の由来について、コトバンクは「一般公募により命名」と説明している。

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