【5060】越後鶴亀 純米吟醸 にごり生酒(えちごつるかめ)【新潟県】

2023年02月07日
酒蛙酒蛙
新潟県新潟市 越後鶴亀
新潟県新潟市 越後鶴亀

 大晦日は、NHKテレビの紅白歌合戦を観ながら酒を飲もう、と決めていた。で、なじみの酒屋さんに行き「年越し用の酒をちょうだい」。店主は「おめでたい酒名なので、これなんてどう?」と勧めてくれたのが「越後鶴亀 純米吟醸 にごり生酒」だった。「越後鶴亀」は当連載でこれまで、5種類を取り上げている。

 さて大晦日。テレビの前に「取り寄せおせち料理」を広げ、越後鶴亀を開栓。一人手酌で飲み始める(奥さまは飲まない)。酒屋の冷蔵庫に入っていたとき、この瓶の首には「レモンのような香り、甘味も感じ、軽快なタイプ」という手製のタグが掛けられていた。

 上立ち香はたしかにシトラス系ではあるが、わたくしの舌にはレモンのようには感じなかった。口当たりは、やわらかく、やさしく、プチプチ微発泡あり。味わいは、甘旨みと酸を感じ、中でも酸がやさしく出ている。ややジューシー感あり。余韻は軽い苦み。ややモダンタイプ寄り、ボディーはミディアムとライトの中間あたり。あるいは爽酒と醇酒の中間あたり。

 最初の一口目、二口目のころは“ややジューシー”に感じたが、飲み進め、口が慣れ酒の温度がすこし上がってきたら、甘旨酸っぱさがはっきり出るようになり、思いっきりジューシーな酒となる。また、飲み進めるにつれ、厚みが増し、甘みと辛みがより出て来る。上品な酒質。味の要素の中でも酸が良い感じで、飲み飽きしないお酒。気がついたら4合瓶が空っぽになっていた。飲み足りない!

 瓶のラベルの色は、ウクライナ国旗をイメージさせる。たまたま偶然では、このような配色にはならない。蔵元さんは心情的にウクライナを応援しているのだろうか。

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分15度、製造年月22.11」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名および蔵名「越後鶴亀」の由来について、蔵のホームページは「人々に喜ばれる美味しい酒を目指し、銘も分かりやすく、おめでたい商標をと思い『鶴亀』という名をつけました」