【4970】宮泉 純米吟醸 山田穂 火入(みやいずみ)【福島県】

2022年11月29日
酒蛙酒蛙
福島県会津若松市 宮泉銘醸
福島県会津若松市 宮泉銘醸

【B居酒屋にて 全7回の④】

 B居酒屋は「全国の地酒200種類を常時置いています」がウリだ。1カ月に1回のペースで店を訪れると、日本酒のラインナップはだいぶ変わっているので、当連載「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。今回は、当連載でまだ取り上げたことがないお酒7種類をいただいた。

「郷宝」「菊姫」「旭興」に続いていただいたのは「宮泉 純米吟醸 山田穂 火入」だった。宮泉銘醸のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、「写楽」17種類、「宮泉」10種類、「古典写楽」1種類、「鬼生」1種類を取り上げている。「写楽」は全国向け、「宮泉」は地元向けのブランドと言われている。「写楽」「宮泉」とも、わたくしの口に合う酒が多い。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 含み香にセメダイン香(酢酸エチル)やシトラス系をおもわせる香りを強く感じる。個人的に、この香りが大好きだ。やさしく、ふくよかな口当たり。ボリューム感がある。酸あり、旨みありのジューシーな味わい。飲み進めていったら、旨みに甘みが加わってくる。そして、きれいな酒質でありながら、力強さも。キレも良い。う~む、これは旨い。ミドルボディー~フルボディー間のミドル寄り。モダンタイプとクラシックタイプの中間からややモダンタイプ寄り。

 裏ラベルには「新たな挑戦、努力し続ける。そんな酒を造ります。宮森大和」という口上が掲載されている。いつもならどの酒にも「米を愛し、酒を愛し、人を愛す。みなさまに愛される酒を目指します。宮森義弘」という口上が掲載されているが、今回はどういうわけか違っていた。はて、さて。

 裏ラベルのスペック表示は「2021BY、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 兵庫県産 山田穂100%、精米歩合50%、アルコール分16度、製造年月04.09」。

 使用米の「山田穂」について、白鶴酒造(兵庫県)は自社のホームページで以下のように説明している。「兵庫県が大正時代に在来品種である山田穂を純系淘汰することにより得られた品種で、新山田穂1号が正式名です。1936年まで酒造好適米として兵庫県で広く栽培されていました」

 一方、山形県酒田市の阿部酒店は自社のホームページで以下のように説明している。阿部酒店は、白鶴酒造がいう「山田穂」の前段階の「山田穂」について語っているようにおもえる。「『山田穂』とは、明治10年(1877年)頃に兵庫県多可町で優良株から選抜されました。その酒造適性は非常に高く、明治20年代頃には兵庫県多可町周辺で広く栽培されていましたが、栽培の難しさなどから徐々にその姿を消していきました」

 酒名および蔵名「宮泉」の由来について、コトバンクは、以下のように説明している。「酒名は、中国・唐時代の皇帝の離宮『九成宮』に湧き出た泉と、自家井戸水が灘の名水『宮水』に近い水質を示すことから命名」