【4962】明鏡止水 純米吟醸 酒門の会 ALL NAGANO(めいきょうしすい)【長野県】

2022年11月21日
酒蛙酒蛙
長野県佐久市 大澤酒造
長野県佐久市 大澤酒造

【Z料理店にて 全6回の⑤】

 近所のZ料理店に顔を出す。予約すると、わたくしが飲んだことがないだろうお酒を数種類さりげなく用意してくれる。その心意気がうれしく、月に1回のペースで暖簾をくぐっている。この2年間、コロナで大苦戦を強いられたが、少しずつではあるが、客が戻ってきたようだ。以前のようなにぎわいを早く取り戻してほしい、と切に願う。

「手取川」「山本」「開運」「敷嶋」と飲み進め、次にいただいたのは「明鏡止水 純米吟醸 酒門の会 ALL NAGANO」だった。大澤酒造のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、26種類を取り上げており、うち23種類が「明鏡止水」だ。わたくし行きつけの居酒屋の店主が「明鏡止水」がお好きなためだろう。この銘柄には、旨みがありながらきれい感・落ち着き感・バランスの良さを感じている。いわゆる飲み手を選ばない酒だとおもっている。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 上立ち香・含み香ともにほのか。ファーストアタックで、甘みを感じる。ふくよかな口当たり。中盤から辛みが出てきて、余韻は辛・渋み。苦みも強く感じる。飲み進めていくと、甘みと酸が出てくるようになる。酸は、最初のうちは全く感じられなかったが、おもむろに出てくる、という感じだ。旨みはすくなめ。クラシックタイプのライトボディ寄りか。重さや力強さは無く、きれい感・さわやか感のある酒質に感じた。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%、アルコール分16度、おすすめの飲み方=冷やして、製造年月2022.04(瓶詰月)、蔵出荷月2022.05」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。ただ、製造年月と蔵出荷月をそれぞれ表記し、製造年月が瓶詰月であることを明示しているのはとても親切だ。「製造年月」といっても、ほぼ100%の飲み手は、その意味が分からないからだ。

 このお酒は「酒門の会」のオリジナル酒。「酒門の会」のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「全て長野産にこだわった商品です。一口飲むと長野の初夏の風景が感じられるお酒です」「使用米:長野県産酒造好適米、精米歩合55%、使用酵母:長野D酵母、日本酒度+4、酸度1.6」。こだわりをもってつくっているのは伝わってくるが、こだわるのなら、使用米の品種名を明示していただきたいものだ。

 以上から酒名の副題「ALL NAGANO」は、コメ、水、酵母がすべて長野県産であることを意味していることが分かる。

「酒門の会」(事務局は、株式会社「花山」=日本酒地方銘酒専門代理店、東京都台東区)がどのような会なのかについて、会のホームページに書かれているので、以下に転載する。

「酒門の会とは 最高の品質、最高の満足をお客様に提供する。全国各地の地酒専門店有志とその趣旨に賛同する蔵元が一体となり1994年9月に設立した会です。
 2021年現在、62件の会員酒販店と7場の蔵元で構成されています。『日本酒の世界を創造すること』を存在意義とし、市場を牽引し、且つ新しい市場を開拓し、会員酒販店及び蔵元がステータスアップし、各蔵元の商品をブランディング化していくことを目的とし活動しています。
 日本酒の品質向上、日本酒市場の開拓という同じ目的意識を持つ、8つの蔵元にオリジナル酒の製造を依頼し、タンク契約で商品計画から蔵元と酒販店が一緒になり優良商品の開発を行い製造していただいた作品を酒門の会会員酒販店を通じて販売しております。
 酒門の会 推奨酒は各蔵元それぞれのオンリーワンを目指したコストパフォーマンスに溢れる作品揃いです」

 酒名「明鏡止水」の由来について、「日本の名酒事典」は、「元禄2年(1689)の創業。酒名の“明鏡止水”は、曇りなく磨かれた鏡と静止した水のことで、“心が澄みきって乱れがない”という意味。その意味を酒にだぶらせて、くせがなく飲みやすいという酒質を表すとともに、言葉の響きが美しいことから命名された」と説明している。