【4960】開運 純米 雄町(かいうん)【静岡県】

2022年11月19日
酒蛙酒蛙
静岡県掛川市 土井酒造場
静岡県掛川市 土井酒造場

【Z料理店にて 全6回の③】

 近所のZ料理店に顔を出す。予約すると、わたくしが飲んだことがないだろうお酒を数種類さりげなく用意してくれる。その心意気がうれしく、月に1回のペースで暖簾をくぐっている。この2年間、コロナで大苦戦を強いられたが、少しずつではあるが、客が戻ってきたようだ。以前のようなにぎわいを早く取り戻してほしい、と切に願う。

「手取川」「山本」と飲み進め、次にいただいたのは「開運 純米 雄町」だった。土井酒造場のお酒は当連載ではこれまで、14種類を取り上げている。そのほとんどが「開運」。派手さは無いが、しっかりした味わいで、実に落ち着き感があるお酒、という強いイメージがあり、好感を抱いている。今回のお酒をいただいてみる。

 上立ち香は抑えられている。含み香はバナナ的サイダー的セメダイン(酢酸エチル)的な香りがほのかに。やわらかで、やさしい口当たり。甘旨酸っぱくて、直前に飲んだ「手取川」と「山本」を足して2で割ったような味わい。余韻は軽めの苦み。モダンタイプ寄りで、ボディーはミディアムか。突出した部分が無く、全体のバランスが非常に良いお酒だとおもった。

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「『第10回 雄町サミット』において優等賞を獲得。本場で認められた自信作。雄町米の故郷、赤磐の雄町を100%使用。55%の高精白で仕込み、ふくよかで旨みたっぷりに仕上げました。重くなりがちな雄町ですが、絶妙な酸とのバランスにより、キレの良い仕上がりとなっています」

 裏ラベルのスペック表示は「アルコール分15度、精米歩合55%、原材料名 米・米麹、原料米 岡山県産 赤磐雄町100%使用、日本酒度±0、酸度1.6、杜氏 榛葉農、製造年月2022.08」。

 酒名「開運」の由来について「日本の名酒事典」は「明治5年創業。酒名は、地元小貫村の発展を願ってつけられた」と説明している。この蔵の「祝酒」は、ラベルに七福神の絵が描かれ、そこに「開運」とドドーンと酒名。おめでたさ満点のため、おせち料理と一緒に売られるなど、祝の席用に重宝されている。今回のお酒のラベルも、モノクロで一部ながら、縁起物の絵が垣間見られる。

 本当に良い酒名だとおもう。飲んでいると、ご利益がありそうな気持になってしまう。おもわずたくさん飲みたくなる。