【4957】田酒 純米吟醸 山廃(でんしゅ)【青森県】

2022年11月15日
酒蛙酒蛙
青森県青森市 西田酒造店
青森県青森市 西田酒造店

【S蕎麦屋にて 全5回の⑤完】

 S蕎麦屋は、かけそばが絶品なうえ、蕎麦屋にしては置いている酒の種類が多い。蕎麦好き&酒好きのわたくしとしては、こたえられないシチュエーション。「新しいお酒が入りましたよ。いらっしゃい」と連絡が来たので、すみやかに暖簾をくぐった。

「黒龍」「赤武」「龍力」「千代むすび」と飲み進め、最後にいただいたのは「田酒 純米吟醸 山廃」だった。西田酒造店のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、非常に多くの種類を取り上げている。今回の「純米吟醸 山廃」は、当連載【3743】回目で3年半前に取り上げている。ラベルの色が変わりモデルチェンジ?しているので、再度取り上げた。

 この日は、燗酒を多くいただいたが、今回のお酒は冷酒でいただく。上立ち香・含み香はバナナ似の果実香がほのか。奥ゆかしい。若干、わたくしの好きなセメダイン香(酢酸エチル)を感じる。味わいでは、旨みと酸がドドーンと来る。味は、かなり分厚く、飲みごたえがある。甘旨酸っぱくてジューシー、味がふくらむ。リッチな味わい。山廃由来?の酸が良い。余韻は苦みと辛み。辛みの方が強い。きれいな酒質だが、力強さがある。これは、かなりかなりかなり旨い。モダンタイプ寄りのフルボディー寄りか。山廃だけどあまり山廃らしさは感じず、極めて飲みやすい。飲み飽きしない。

 〆のかけそばハーフに感動した。だし香味が華やかに広がる。至福のひととき。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合50%、製造年月2022.09」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「田酒」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「『田』はもちろん、酒の元となる米が獲れる田んぼを意味し、名前の通り、日本の田以外の生産物である醸造用アルコール、醸造用糖類は一切使用していないことを力強く主張した、米の旨みが生きる旨口の純米酒です。『日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい』という一念で、昭和45年に昔ながらの完全な手造りによる純米酒の醸造に着手。その後、商品化までに3ヶ年を費やし、発売は昭和49年10月1日でした」

 ラベルの「田酒」の字は、竹内俊吉・元青森県知事の筆による。