(735)タイマー設定のえさで筋力も鍛える アジアゾウ(上)
2022年10月29日


ちょっと前足をうかせて、えさをとるアジアゾウ
運動場の真ん中にぶら下げられたタイヤに、ゾウが鼻を絡ませて遊んでいる。北海道札幌市の円山動物園に新しいアジアゾウの施設ができたのは4年前。運動場は広く、建物もとても大きい。
担当の鎌田祐奈(かまだ・ゆうな)さんによると、ここにいるのは4頭。ミャンマーからやってきた。メス3頭の名前がパール、シュティン、ニャイン、オスはシーシュだ。「たとえば、パールはミャンマーではパールモー、ニャインはニャインスグェソーと呼ばれていて、その一部をとった名前になりました」
動物園に来た人たちの投票で決めたそうだ。
建物の中で話していると、ゾウたちが中に入ってきて、一生懸命、鼻を上に伸ばしている。その先には青いバケツと、網のふくろ。「えさがはいっています」と鎌田さん。「おりてくる時間をタイマーで設定できるようになっています。今、夕方の分がおりてきたんですが、夜、わたしたちが帰った後にも、新しいえさが食べられるように設定します」
野生では1日の大半の時間を使い、えさをさがしたり、食べたりしている。
「動物園ではえさをすぐ食べ終えて、その後やることがなくて、退屈になってしまう。なるべくそういうことがないようにしているんです」。高いところにあるので、足腰や鼻の筋肉も鍛えられるそうだ。<文・写真、佐々木央(ひさし)>=2022年7月配信

ふくろのえさに鼻をのばすアジアゾウ=北海道札幌市の円山動物園