(717)こだわりの赤色、照明の工夫とは? ホッコクアカエビ
2022年06月25日


ホッコクアカエビ(マリンピア日本海提供)
新潟市の水族館、マリンピア日本海の「佐渡の深海」コーナーにホッコクアカエビがいた。すしで食べる甘エビだ。
担当の新田誠さんに「赤い色がきれいですね」と言うと「マリンピア日本海のこだわりがあるんです」と教えてくれた。
深海の生物は水槽が明るすぎると、目が見えなくなったり、ストレスがたまって早く死んだり、繁殖行動をしなくなったりすると言われている。それで、水族館では暗い水槽で青い光を当てているところが多い。でも、そうすると、ホッコクアカエビは青い光を反射しないので真っ黒に見える。
「最近は赤い光を当てる水族館もふえています。海水魚が赤い色を感じる細胞がないので、赤だとストレスが少ないとされているからです」。でも赤い光は本当は深海までとどかない。本当のようすとはちがってしまう。
そこでマリンピア日本海は白い光を当てている。「白い光には赤、青、緑の三原色が全部入っているので、ホッコクアカエビは赤を反射してちゃんと赤く見えます。あと、透明感を出すために青い光も加えています」
ストレスは?
「明るすぎないように調節しています。ホッコクアカエビの繁殖はむずかしいんですが、同じ水槽のモロトゲアカエビや、となりの水槽のコンペイトウは繁殖していますから、だいじょうぶです」(文・佐々木央)=2022年3月配信