無視できないうまさ 「ヘボめしとイナゴ」 【GOHANスペシャル】

2011年06月20日
共同通信共同通信
大きなヘボが入っていた「ヘボめし」
大きなヘボが入っていた「ヘボめし」

 初夏の花、ササユリ。全国的にも珍しくなってきたササユリの自生地がある岐阜県可児郡御嵩町に、珍味でもてなす飲食店がある。国道21号沿いの、その名も「はちのす」。ここで食べられる「ヘボめし」がすごい。

 東濃地方などに伝わる郷土料理「ヘボめし」。ヘボとは地蜂の子。クロスズメバチの巣から取れる幼虫と成虫を煮付け、ご飯に混ぜたものを「ヘボめし」と呼んでいる。ヘボは高タンパク・高カロリーで昔から貴重なタンパク源で高価だ。

 店には「ヘボめし」だけの単品はなく、定食での扱いのみ。しかし定食にはなんと、「イナゴの佃(つくだ)煮」と「馬刺し」まで加わる。もちろんサラダ、小鉢、漬物、みそ汁も付く。

 ちょっと戸惑ったが、ここは勇気を出して「ヘボめし定食」(1800円)に挑んだ。

 ヘボの煮付けは、店を切り盛りする小宮山かをるさん(47)が自ら仕込んでいる。しょうがじょうゆと砂糖で煮付けて1晩置く。「ヘボめし」にするのは、注文を受けてからだ。熱々のご飯に煮付けたヘボを混ぜ、熱くした器に入れる。

 初めに「馬刺し」を食べてみた。馬肉は厚めに切ってあり、とろっとして柔らかー。タレの酸味が利いておいしい。

 次に熱々の「ヘボめし」。ふたを開けてみると…。

 なんと、びっくり!ヘボがいっぱいだ。長さ1センチほどの幼虫や黒い成虫が数え切れないほど。いつもこんなにたくさん入っているの?


■ヘボめし定食
■ヘボめし定食

 「いつもと同じ。これで普通ですよ。たくさんだと感じたらラッキーだと思ってください」

 予想を超えた量のもてなしに、腰が抜けるほど驚きながら、少し食べてみた。

 しょうゆの風味が利いた、ほどよい甘辛さだ。「なかなかあっさりしておいしい」。食べるにつれ、体が熱くなってきた。

 最後に「イナゴの佃煮」に挑戦。自家製ではないが、どんな味なのか?

 グロテスクなバッタの姿が、目に飛び込んできて食べられない。

 ここは目を閉じ、口に放り込んだ。ヘボより少し辛めの甘辛だ。貝かエビのような食感で、脚なのかコリコリしてうまい。

 店では20年以上前から、ヘボやイナゴの料理を出している。

 戦前の、祖父の代からヘボやイナゴを捕り、母が甘辛く煮付けてご飯に載せたり混ぜたりして子供のころから食べてきた。「ヘボめしは大好きな母の味」と小宮山さん。

 「郷土料理を味わって!」

 ヘボやイナゴはうまかった。思った以上にムシできないご飯だ。食後は、これも店の看板メニュー「金箔(きんぱく)コーヒー」を1杯いただく。ゴージャスな気分のまま、ササユリが自生する「みたけの森」を散策し、ヘボを思いながら自然を満喫した。

 

 

アマデウス@岐阜(岐阜新聞社)

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