【アソまなビ #4】東京・立川、PLAY! 自由に遊ぶ子どもが主役

3階に屋内広場、2階に美術館が入る東京都立川市の「PLAY!」は、子どもが主役の文化複合施設だ。「ありそうでない」がテーマの空間で、絵を描いたり、使い方が決まっていないオリジナル遊具を試したり。心も体も思い切り自由にして、好きな遊びに夢中になれる。(共同通信=中井陽)

窓から緑が見える屋内広場「PARK」から、子どもたちの生き生きした声が聞こえてきた。仕切りのない約千平方メートルの中央に巨大な楕円形のフィールドがある。白く軟らかなウレタン製の「大きなお皿」だ。
天井から、無数の白い平テープを束ねた遊具「ざーざーざら」が雨のようにぶら下がり、子どもたちは走ったり寝転んだり、かくれんぼしたり、ひとときもじっとせずにはしゃいでいた。遊具は「PARK」館長で建築家の手塚貴晴さんが監修し、安全面にも配慮したオリジナル。手塚さんの建築事務所はこの施設の内装やイベントも担当する。

「お皿」の周りに、絵本を並べたコーナーや、3歳未満が遊べる「小さなお皿」、シアターなどのコーナーが散らばる。この日はパエリアの具になったつもりになれる特設スポンジプールがあり、“サフランライス”に潜る子や“エビ”になる子が続出していた。

ピアノなどの楽器が置かれた場所は「スタジオ」。大人がせっせと押す空気入れにチューブがつながれ、その先にある何台もの鍵盤ハーモニカで女の子が即興の音楽を奏でていた。
「絵の具コーナー」では5歳の男の子が絵画を制作中。ネックレスを絵の具まみれにして紙に押し付け「こうすればいいんだよ」と満足そう。一方、画材や工具がそろう「ファクトリー」では日替わりでワークショップを開催。この日は切り絵制作で親子が思い思いに好きな物を作った。


経済協力開発機構(OECD)が学習施設好事例の最優秀賞に選んだ「ふじようちえん」(同市)などの建築で知られる手塚さんは、遊び方を定めたり説明したりしないことを意識する。「子どもが楽しめるのは、自分のやりたいことをしているから。自発的に選び取り、体験を重ねることが大事だと思う」と話す。

「MUSEUM」では企画展を開催。詩人・谷川俊太郎による絵本の世界を感じられる「絵本★百貨展」(7月9日まで)の後は「エルマーのぼうけん」展(7月15日~10月1日)が続く。
【メモ】「PARK」利用料は平日1日券が大人1100円、3~12才2200円。「MUSEUM」は展覧会により異なる。