【マンガで習ッチャオ!#3】落語で使う寄席文字を体験 独特の書体で満員御礼願う

2023年06月01日
共同通信共同通信
連載第3回
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 ユニークな習い事や、憧れの仕事について学べる学校などを体験取材して、記事と漫画で紹介します。芸人兼漫画家のチャーミングじろうちゃんと一緒に習ッチャオ!


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 東京都品川区の目黒学園カルチャースクールで、現在落語で使われている橘流寄席文字の体験授業に参加しました。


 寄席文字は関東大震災後に衰退しましたが、戦後に橘右近(1903~95年)が復興、発展させました。テレビの演芸番組「笑点」の題字でもおなじみです。右近の弟子の一人である橘右朝先生によると、独特の書体にはさまざまな縁起と願いが込められています。

寄席文字体験(漫画・チャーミングじろうちゃん)
寄席文字体験(漫画・チャーミングじろうちゃん)

 


 文字の黒を客、余白を空席と見立てて、肉太の線で隙間を少なく書くことで満員御礼を願います。興行が尻上がりに良くなるようにとの意味で、右肩上がりに書くのも特徴です。お客さんとの縁を大事にするのでかすれは厳禁。まろやかさと据わりの良さは円満と安定を表します。


 初心者のチャーミングじろうちゃんは「一」「四」「八」などの漢数字から練習スタート。縦、横の線を上手に引けるようになれば、その組み合わせで少しずつ書ける漢字が増えていくためです。通常の書道とは違い、穂先が太く短い筆を使います。


 何年も通っているベテラン生徒たちが「翔平」(この日は米大リーグ・大谷翔平選手の登板日でした)などの難しい文字を練習している中、黙々と漢数字を書き続けます。横線は手首を返さず、腕全体で弧を描くように書くのがこつです。


 基礎練習に飽きたじろうちゃんは、見よう見まねで「翔平」にも挑戦。


 右朝先生は「筆の使い方など基本を大事にしないと上達しません」とたしなめつつも「落語研究会で名前を書くめくりや、家族の名前など書きたい文字があって通い始める人が多い。楽しんでもらうのが第一です」と話していました。


【メモ】橘流寄席文字は、各地のカルチャースクールなどで習うことができる。


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【略歴】チャーミングじろうちゃん 1977年福岡県生まれ。お笑い芸人兼漫画家。売れない芸人の悲哀を描いた漫画「芸人生活」(井上二郎名義)が代表作。

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