【5216】腰古井 吟醸 露しぐれ(こしごい)【千葉県】

2023年05月29日
酒蛙酒蛙
千葉県勝浦市 吉野酒造
千葉県勝浦市 吉野酒造

【S蕎麦屋にて 全3回の①】

 なじみのS蕎麦屋の店主から「新しいお酒が5種類入ったので飲みにいらっしゃい」というメールが入った。メールに添付された写真を見ると、5種類のうち3種類が、この連載でまだ取り上げていないお酒だった。よ~し、取材だ。張り切って店の暖簾をくぐった。

 最初にいただいたのは「腰古井 吟醸 露しぐれ」だった。「腰古井」は当連載「【2291】腰古井 大吟醸」を1回だけ取り上げている。7年前のことなので、味の記憶は忘却の彼方、だ。さて、いただいてみる。

 上立ち香は果実香がほのか。含むと、すこし昭和的地味めの香りを感じる。やわらか、ふくよかな口当たり。味わいは、まず旨みを感じる。次に辛みが来る。余韻は辛みと渋み。酸はあまり感じられず後半、奥にほのかに感じられるが、出ていないも同然。クラシックタイプの、ミディアムボディー酒。あるいは醇酒。ひとことで表現すると、「昭和のたたずまいの、年配の地味めのおっさん」というイメージの酒だった。

 蔵のホームページはこの酒を「吟醸造りの辛口」と紹介している。また、日本名門酒会のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「岩清水を用いて造られる吟醸酒は、朝露のようにさやけき味わい。含み香豊かで軽快、香味の調和が秀逸」

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、精米歩合 こうじ55% 掛米55%、アルコール分15度以上16度未満、製造年月2022.11」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。しかし、蔵のホームページは「日本酒度+ 5.0、酸度1.8、アミノ酸度1.0、原料米五百万石」と開示している。

 酒名「腰古井」はかなりユニーク。その由来を知りたくて蔵のホームページを見てみたら、以下のように説明している。「吉野酒造の総業(原文ママ)は天保年間です。蔵のあるこの地を『腰越台』と申します。酒名の由来は越を古井と宛、命名いたしました」。なぜ「越」に「古井」の字をあてたのか、その理由については触れていない。

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