自衛隊機スーダン派遣準備 戦闘激化、邦人退避を調整

2023年04月19日

政府は19日、正規軍と民兵組織の戦闘が激化するアフリカ北東部スーダンに滞在する邦人の退避のため、自衛隊機派遣の準備を始めた。松野博一官房長官が緊急記者会見し、発表した。日本政府関係者は、大使館員を含めて邦人63人がスーダンに滞在していると説明。これまで死傷者が出たとの情報はない。現地からの報道によると、首都ハルツームの国際空港で戦闘があるなど衝突は絶えず、現地入りは難航するとの見方が政府内で出ている。
今回の戦闘は15日に始まった。民兵組織は19日夕(日本時間20日未明)から24時間の停戦で合意したと表明したが、実現性は不明。世界保健機関(WHO)は270人が死亡、2600人以上が負傷したと公表した。
松野氏によると、現地の全ての邦人と連絡が取れているものの、水や食料が不足し、頻繁に停電が起きるなど厳しい状況にあるという。
自衛隊機の派遣準備は、林芳正外相が19日午後、在外邦人の輸送手続きを定めた自衛隊法84条の4に基づき、浜田靖一防衛相に要請した。昨年の法改正により、迅速に意思決定するため閣議決定は不要となった。