H3ロケット1号機発射「失敗」 固体ブースター着火せず

打ち上げ予定時刻になり白煙を上げるH3ロケット1号機。発射を試みたが飛び立てなかった=17日午前10時37分、鹿児島県の種子島宇宙センター(共同通信社ヘリから)
打ち上げ予定時刻になり白煙を上げるH3ロケット1号機。発射を試みたが飛び立てなかった=17日午前10時37分、鹿児島県の種子島宇宙センター(共同通信社ヘリから)
2023年02月17日
共同通信共同通信

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は17日、日本の新型主力機H3ロケット1号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射を試みたが飛び立てず、搭載する地球観測衛星を打ち上げられなかった。JAXAによると主エンジンは着火したが、補助の固体ロケットブースターに着火しなかった。17日午後、記者会見を行い事情を説明する。

 政府関係者は1号機について「1、2週間後に再度打ち上げる方向で調整している」と明らかにした。現地のJAXA広報担当者は「発射する前に中止した可能性もあり、失敗かどうか判断できない」としている。

 的川泰宣JAXA名誉教授は「主エンジン側の不具合で(着火の)命令がいかなかったか、命令はいったが固体ロケットブースターに火が付かなかったのか。両方が考えられる」と指摘。主エンジン側の問題だと解明に時間がかかる可能性があるとの見方を示した。

 災害状況の把握などに用いる地球観測衛星だいち3号を搭載していた。新型ロケットの失敗は、日本の宇宙戦略に打撃となる。

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