ゲーム好きは認知機能高い 米国の子2千人で研究

2023年01月24日
共同通信共同通信
 子どもがテレビゲームや携帯ゲームに熱中して勉強が手に付かないのは世の親の心配事の一つ。度を過ぎると依存症になる懸念があるほか、子どもの抑うつ症状や攻撃性を助長するとの報告もある。
 ところが米国立衛生研究所(NIH)のチームが長時間ゲームをする子を調べると、全くやらない子に比べて「作業記憶(ワーキングメモリー)」や「行動抑制」といった認知機能の働きが高い傾向があることが分かった。
ゲームをする子ども(AP=共同)
ゲームをする子ども(AP=共同)

 

 NIHの国立薬物乱用研究所やバーモント大の研究者らは、子どもの脳の発達を調べる米国の大規模研究に参加した9~10歳の約2千人を調査。1日平均で3時間以上テレビゲームや携帯ゲームをする子と、全くしない子に分けて認知機能を調べる2種類のテストを実施し、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で脳の活動の変化を分析した。
 するとゲームをする子では、目や耳などから入ってきた情報をいったん保持して課題をうまくこなす作業記憶の働きや、衝動的な反応を抑制して行動をコントロールする能力がゲームをしない子に比べて高いことが示された。それぞれの働きに対応する脳の領域が活性化していることも確かめた。
 ただもともと能力が高い子が長時間やっている可能性もあり、ゲームが認知機能の向上に役立つかどうかは不明。メンタルヘルスに及ぼす長期的な影響についても追跡する必要がある。チームの研究者は「若者の間に広がったゲームの良い面と悪い面を理解する必要がある」としている。
 研究結果は米医師会雑誌JAMAの関連誌に発表した。