【4979】米鶴 純米 カンタービレ(よねつる)【山形県】

2022年12月08日
酒蛙酒蛙
山形県東置賜郡高畠町 米鶴酒造
山形県東置賜郡高畠町 米鶴酒造

【食事処Iにて】

 近所の食事処Iはここ数年、常連を集め月に1回、仲良し会を開いている。そして、いつのころからか、各メンバーが酒を持ち寄り、みんなで味を楽しむようになった。

 今回いただいたのは「米鶴 純米 カンタービレ」だった。「米鶴」は当連載でこれまで、8種類を取り上げている。派手さはないが、穏やかながらしっかりとした味わいのお酒が多く、わたくしお気に入りの銘柄の一つだ。今回のお酒は、猫いっぱいのラベル。猫好きにはたまらない。では、いただいてみる。

 上立ち香は、ナシのような香りが穏やかに。含み香はほのか。すっきりとした軽やかな口当たり。キレが非常に良い。ずばり淡麗酒。味わいはまず、酸を感じる。酸に伴う旨みはほどほど。辛み、苦みは穏やかで刺激的ではない。余韻は酸味。さわやか、きれいな酒質で、酸が良いお酒だ。軽快で酸が良く出ているの飲み飽きしない。宴会酒や毎日の晩酌酒に最適だとおもった。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「米鶴の地元高畠町には、住民の災難を救った伝説の犬と猫を祭る『お社』があります。その社にちなんだ、猫のラベルの純米酒です。絵はチェコの画家“Gabriela Dubska”氏作の『たれめのねこたち』です」

 また、蔵のホームページは「珍しい『犬と猫を祀る神社』にあやかった『ねこラベルのお酒』」と題し、以下のように紹介している。

「米鶴がある山形県高畠町には、『犬の宮・猫の宮』という、かつて村人の災難を救った犬と猫を祀る、珍しい神社があります。毎年7月の第4土曜日には『全国ペット供養祭』も開催され、全国からペットの供養に訪れる方が大勢いらっしゃいます。そんな動物との縁のある地で日本酒を造る蔵元として、『ねこにちなんだ日本酒』を造っています。
・ラベルのイラストは、チェコの人気画家Gabriela Dubska(ガブリエラ・ドゥブスカ)氏作の『たれめのねこたち』によるものです。
・『カンタービレ』は音楽用語で『唄うようななめらかさで』という意味で、『なめらかな口当たり』の純米酒を採用しています」

 また、蔵のホームページは、以下の「味わいコメント」を掲載している。「ベーシックな純米酒で、雑味の少ないきれいな旨み、軽やかな切れ味が特徴です。素直で心地いい香りは、ワイングラスのような香りを感じやすい酒器と好相性です」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分15度、甘辛濃淡 やや辛口・やや淡麗、杜氏名 須貝智」。使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名および蔵名「米鶴」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「『米鶴』の名前は、『感謝の気持ちを伝える、真心のこもった酒でありたい』という思いを込め、お辞儀をするような稲穂の姿、地元に伝わる民話『鶴の恩返し』に由来しています」