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「台風の目」になるか 着々と白星重ねるレーベンズ

2017.12.8 11:17 生沢 浩 いけざわ・ひろし
レーベンズオフェンスの鍵を握るQBフラッコ(AP=共同)
レーベンズオフェンスの鍵を握るQBフラッコ(AP=共同)

 

 「知らぬ間に」と言ったらファンに失礼だが、思わずそう言ってしまいたくなるのがレーベンズの最近の快進撃だ。

 直近の5試合は4勝1敗。一時は4勝5敗で負け越していたが、通算成績を7勝5敗としてプレーオフをうかがう位置にまで復活した。

 

 とはいうものの、チーム力が急速に改善された理由を尋ねられると困ってしまう。これといった要因が見当たらないのだ。

 レーベンズといえばディフェンスのチームである。今季もすでに完封勝ちを3試合も記録している。これは全般的に得点力の高い昨今のNFLでは快挙と言っていい。

 

 かと思えばジャガーズに44失点し、それ以外にも20点以上の得点を相手に許した試合は五つある。

 

 オフェンスは不調だ。QBジョー・フラッコは今季11TDパスに対して被インターセプトも11に及ぶ。パサーレイティングは77.1でキャリアワースト2位の成績だ。

 他にオフェンスでこれといったスター選手が台頭しているわけでもない。

 

 それでもレイダーズ戦で30点、ドルフィンズ戦で40点、ライオンズ戦では44点を挙げている。(ただし、そのすべてがオフェンスとは限らない)。

 

 テイクアウェー(ターンオーバーを奪う数)が多いのが特徴だ。第13週終了現在で29(20インターセプト、9ファンブルロスト)はリーグトップ。ギブアウェー(ターンオーバーをとられた数)を差し引いたターンオーバー率14もNFL1位の成績だ。

 

 必ずしもチーム力が安定しているわけではないが、こうしたチャンスをオフェンスがTDに結びつけることで勝利を呼び込んでいる。

 最近の連勝はちぐはぐだったオフェンス、ディフェンス、スペシャルチームの歯車がかみ合い始めてきた証拠だろう。

 

 第14週のスティーラーズ戦(@ピッツバーグ)は重要だ。すでに直接対決の1回目は敗れているが、この試合に勝てばイーブンとなる。

 もしレーベンズが残り4試合すべてに勝ち、スティーラーズ(10勝2敗)がすべて負け、もしくは1勝3敗で終わればタイブレークの条件次第では逆転の地区優勝が可能だ。

 

 もっとも、スティーラーズの残り4試合のスケジュール(対レーベンズ、対ペイトリオッツ(10勝2敗)、@テキサンズ(4勝8敗)、対ブラウンズ(0勝12敗))を考えれば少なくとも勝率5割で乗り切ることが予想され、そうなるとスティーラーズは12勝に届く計算で最高でも11勝にしかならないレーベンズは及ばない。

 

 しかし、レーベンズも残り4試合は@スティーラーズ、@ブラウンズ、対コルツ(3勝9敗)、対ベンガルズ(5勝7敗)で3、4勝は計算できる。

 であれば10、11勝でシーズンを終わることになり、ワイルドカードでのプレーオフ出場に望みをつなげられる。現時点でのプレーオフピクチャーでは第6シードの位置づけだ。

 

 今季はビルズ(6勝6敗)、ジャガーズ(8勝4敗)、テキサンズ(8勝4敗)の健闘が話題となったが、ここにきてレーベンズのしぶとさが際立っている。

 4年連続で逃してはいるが、プレーオフに向けてのチーム力の整備方法、ポストシーズンでの戦い方は熟知しているレーベンズ。今後の「台風の目」になるかもしれない。

ライオンズ戦でTDを挙げるレーベンズのRBコリンズ(34)(AP=共同)
ライオンズ戦でTDを挙げるレーベンズのRBコリンズ(34)(AP=共同)

 

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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