トライアンドエラーからの再発見 習い事を始めて分かったこと

2022年09月14日
共同通信共同通信
中村 多聞 なかむら・たもん
RB専門のコーチとして活動する中村多聞さん=中村多聞さん提供
RB専門のコーチとして活動する中村多聞さん=中村多聞さん提供

 

 最近習い始めたスポーツがあると前回書きましたが、2回目の練習がありました。とても難しくてなかなかコーチの言うようにできません。

 何度やっても「違う、違う」と言われるのです。自分ではそれなりに一生懸命言われた通りにやっているつもりなのですが、なんでうまくいかないのかがサッパリ理解できませんし、うまくいっていないことは認識しています。

 「えー、どこがあきませんの?」というヘタクソ特有の勘違いもしていません。とにかくうまくいかないんです。

 

 他にもコーチの言ったことが聞き取りにくかったり、意味を解析できなかったりで、聞き逃しをしてしまっています。

 数回は「もう1回言うてください」「今のどういう意味ですか?」と言えても、何度も何度もとなると少し遠慮して言いにくかったりします。

 「分からん時は質問しろ! 何度でも聞き返せ!」なんて言ってくれますが、聞きづらいものなんですね。「これが習う側の気持ちかー!」と学びを得ています。

 

 今習っているのは練習のための練習で、基礎の基礎です。本来なら体力もさほど使わないのだと推測できますが、僕がやっていると数百キロのバーベルを担いでスクワットをしている時のように疲労困憊、脈拍も上がり呼吸が乱れ汗も滝のように流れ出してきます。

 コーチも「アンタ、これぐらいでなんでそんなに疲れてんねん?」という感じです。

 

 立っているのすらつらくなり限界に近づいたところで「水を飲みます」と休憩の意思表示をしました。その間にコーチがお手本を見せてくれたので、背後に立って動きを模写してみました。

 タイミングや力の入れ具合など、目ん玉と脳みそで録画できるだけ録画しました。そのあと目を閉じてコーチの動きを思い出して脳内で再生。息を整えて精神統一し気合を入れ直し再度挑戦という感じです。

 

 大してうまくなっているわけではありませんが、それまでよりも圧倒的にやりやすくなりました。どうすべきかが少し分かったからです。

 「上手な人の動きを見て真似る」ことでランニングバック(RB)術を磨いてきた僕ですが、それを言語化したところで一部の人を除いてほとんど伝わらないことを、ここ数年の経験である程度分かっていましたが、自分で試してみたらここまで違いが出てしまうのかと、大きな発見になりました。

 冷静な時に考えればあたり前のことですし分かりきっているので、新発見ではなく再発見ですかね。

 

 今回の僕のトライアンドエラーからの再発見を、早速RBの指導に使ってみることにしました。

 普段は全く鍛えるどころか運動もロクにしない53歳の体重120キロの僕ですが、フルスピードからいくぶん割り引いたスピードなら動けなくもないので、選手たちにお手本というか「こういう感じね。スピードとパワーは割り増ししてや」と言って動きを見せることをしてみました。

 これまでも、必要な時だけですがたまーに防具をつけて選手に当たられる役だったり今回のようなお手本を披露しています。防具もいちおう新しいものを数年前に買っていたのです。使うのはまあ年に1、2回程度ですが。

 

 彼らが切れのある動きではない年老いた僕のお手本を見て、口で説明しているだけよりも少しでも学ぶ量が増えていればいいのですけどね。

 ゆっくりしか動いていないのですが、古傷の膝関節は帰路の車中で猛烈に痛くなったり、翌日はヘルメットが当たっていたおでこの部分がヒリヒリ痛かったりと、現役時代に味わった地獄の日々を思い出しました。

 まあ、いずれにしてもあと20キロは減量しないとそろそろ日常生活にも支障を来しますよね。でも、運動も減量も苦手だし嫌いなんですよねー。

 

 XリーグはトップのX1スーパーが開幕しましたね。注目のIBMビッグブルーに新加入したジュレル・プレスリー選手は、RBとしてのプレーではまだ元プロっぽい結果は出しておりません。

 それでも、キックオフリターンでは日本では見たことがないようなエグい加速を披露しました。そのまま無人になったフィールドを駆け抜けエンドゾーンまで行ったのですが、タッチダウンする前に喜びを表現してしまいました。

 これは相手への侮辱行為として扱われ「スポーツマンシップに反する」という〝重罪〟として裁かれますので、その地点でプレーが終了し罰退を科せられました。僕もかなりビックリしました。

 

 これ、僕自身も経験がありまして、僕の場合は独走中にワザとではなくもうすぐエンドゾーンなので減速しただけなのですが「ステップを変えた」となり反則と判定されました。

 しかし、タッチダウンは認められて次のキックオフで罰退15ヤードを頂戴しました。後日、反則ではなかったと訂正されましたけどね。

 あれから10年以上も経っていますしルールは変わっているのですね。ルールの勉強が甘かったです。

 しかし、タッチダウン取り消しとはかなり厳しい判定ですね。自動車の運転免許なら「一発免停」というところでしょうか。

 ゲーム中は興奮状態ですからアドレナリンが出て、正確で冷静な判断ができないこともあるでしょう。そういう事態にならないように、皆さんもご注意くださいね。

 

 来日後初試合での活躍ですし、はしゃぎたい気持ちも分かりますが、Xリーグはプロリーグではなくあくまでもアマチュアのリーグです。観客や視聴者の満足度を最優先しないので仕方ありません。

 IBMビッグブルーには、Xリーグに慣れた米国人が複数名在籍していますから、そのうち隅から隅までいろいろと教えてもらえるでしょう。

 

 「いやいやそれはRB担当コーチのお前が教えとかなアカンのんちゃうんか!」というお叱りはごもっともですが、練習生とはいえ五つものNFLのチームを経験してきた人に興奮状態の制御の方法を指南するのは僕の英語力じゃ不可能です。

 なおかつ、この日は試合会場に行かずネット観戦しておりました。すみません。彼にはゴリゴリバーガーのTシャツをプレゼントし、美味しいハンバーガーを食べてもらうので、次節以降の活躍に期待しましょう!

 

 最後に、立命館大時代に甲子園ボウル優勝を経験し、年間最優秀選手(チャック・ミルズ杯)にも選ばれたRBの西村七斗選手が、数年間のブランクを経てようやくオービック・シーガルズでXリーグデビューしてくれましたね。

早大との甲子園ボウルで力強い走りを見せる立命大時代のRB西村七斗選手=2015年12月13日、阪神甲子園球場
早大との甲子園ボウルで力強い走りを見せる立命大時代のRB西村七斗選手=2015年12月13日、阪神甲子園球場

 RBマニアな僕の見立てでは、近年の学生界で最もすごいRBの一人だと思いますし、彼の走りは大好きです。

 プレスリー選手は当然ながら、西村選手の活躍もフットボールファンとしてこっそり楽しみにしています。では今週はこんな感じでおしまいです。

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