血液がん遺伝子を網羅解析 診断や病状予測で活用へ

2022年09月20日
共同通信共同通信
 白血病やリンパ腫といった血液のがんに関わる452個の遺伝子をまとめて解析する検査法を国立がん研究センターや大塚製薬のチームが開発した。主に病名の診断やその後の病状予測に活用できると見込んでおり、薬事承認に向けた申請を準備している。
 病気に関わる多数の遺伝子を一度に調べる検査法は胃がんや大腸がんなど「固形がん」では3種類が既に保険適用され医療現場で使われている。血液がんは原因となる遺伝子の異常が固形がんと異なり、同様の検査はまだ実用化していない。
 チームによると、血液がんは200種類以上あり、10万人当たり年間約45人が発症し、20歳未満ではがん患者の4~5割を占める。どの遺伝子に異常が生じているかで病名や経過は大きく異なるが、現在の診断法では症状などから関連がありそうな遺伝子を一つずつ調べる必要があり、時間がかかる。
 チームは、日本血液学会の指針などに基づいて血液がんと関連する452の遺伝子を選択。患者176人の血液と正常な細胞の遺伝子を比べて、異常が起きている場所を探した。その結果、患者の82%で診断に使えそうな異常が、58%で病状の予測に生かせそうな異常が見つかった。
 急性骨髄性白血病では、病状の良しあしで造血幹細胞移植の必要性が異なるといい、正確にリスク評価できれば必要のない移植を避けられる可能性がある。
 一方、遺伝子の異常に合った既存薬がある患者は12%だった。開発されている治療薬が少なく、同センター研究所の片岡圭亮分野長は「網羅的に遺伝子の異常を調べて、臨床試験中のものなど新たな薬を試せるのが望ましい」と話す。

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