【4862】岩木正宗 七郎兵衛 純米生原酒(いわきまさむね しちろうべえ)【青森県】

2022年08月04日
酒蛙酒蛙
青森県つがる市 竹浪酒造店
青森県つがる市 竹浪酒造店

【食事処Iにて 全2回の➁完】

 近所の食事処Iはここ数年、常連を集め月に1回、仲良し会を開いている。そして、いつのころからか、各メンバーが酒を持ち寄り、みんなで味を楽しむようになった。

 今回、まずいただいたのは「夢心 純米吟醸」。次にいただいたのは「岩木正宗 七郎兵衛 純米生原酒」だった。このお酒を醸している竹浪酒造店は、正保年間(1644~1648)の創業で、青森県で一番古い酒蔵とともに青森県で一番古い会社。当連載でこれまで、この蔵のお酒を6種類取り上げている。

 さて、いただいてみる。上立ち香・含み香は、麹のニュアンスがそこはかとなく漂う。この蔵のお酒は従来、昭和的懐古的香りが強かったが、今回のお酒には感じられなかった。

 含んでみる。厚みたっぷり、旨みたっぷり。濃厚な味わい。旨みと酸がよく出ている。中盤からの辛みが強い。余韻は辛みと酸。旨・酸・辛が味の主体になっているクラシックタイプのフルボディー酒。若干、ジューシー感があり、モダン的要素がわずかに感じられる。竹浪酒造店独特の“昭和的懐古的香味”が全く感じられず、びっくり仰天。これまでの「岩木正宗」のとは味わいが全然違っていた。

 太くて強い味の酒だったので、この日の酢豚、麻婆豆腐という分厚い味の料理と合わせても、まったく腰折れすることなく、きちんと合わすことができた。「岩木正宗 七郎兵衛 純米生原酒」恐るべし。すごい酒だ。

 瓶のラベルのスペック表示は「アルコール分19度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 秋田酒こまち100%、精米歩合75%、製造年月4年6」。使用米の「秋田酒こまち」は、秋田県農業試験場が1992年、母「秋系酒251」(その母は「五百万石」)と父「秋系酒306」(その父は「華吹雪」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に品種登録された酒造好適米だ。

 主銘柄の「岩木正宗」は、旧蔵(青森県北津軽郡板柳町)の裏を流れる岩木川や、旧蔵近くから良く見える岩木山(青森県最高峰)にちなむ。「七郎兵衛」は、3代目からおよそ8代続く竹浪家当主の名に由来する。