【4829】愛姫 純米吟醸(めごひめ)【福島県】

2022年07月01日
酒蛙酒蛙
福島県田村郡三春町 佐藤酒造
福島県田村郡三春町 佐藤酒造

【B居酒屋にて 全5回の⑤完】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられていたが、第5波が下火になってから、ようやくお客さんが戻って来た。しかし、程なくオミクロンによる第6波が襲来し、またまた大苦戦。この6波の影響が長く続いている。早く、以前のにぎわいを取り戻してもらいたいものだ。わたくし一人が頑張ったところでしょせん、売り上げに貢献できないのがもどかしい。それでも、前回7種類飲んだ4日後、再びB居酒屋を訪れ5種類のお酒を飲んだ。

「安東水軍」「土田」「Ohmine」「悦凱陣」と飲み進め、最後5番目に選んだのは「愛姫 純米吟醸」だった。佐藤酒造のお酒は当連載でこれまで、「三春駒」5種類、「愛姫」1種類を取り上げている。さて、いただいてみる。

 やわらかで、なめらかな口当たり。軽快感があるが、その真逆の「とろみ」も感じる。香りはほのか。甘みと旨みが味の中心で、酸はあまり出てこない。余韻は軽い苦みと辛み。全体的に穏やかで、やさしい雰囲気を醸し出しているお酒だった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合55%、アルコール分16度、製造年月22.03」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名の「愛姫」は、伊達政宗の正室・愛姫(1568-1653年)のこと。仙台の殿様の奥さんの名が、なぜ福島県田村郡三春町のお酒のラベルになっているのか。それは、愛姫の父・田村清顕が当時、この地を治めていたことによるようだ。つまり、三春の人たちにとって愛姫は「わたしたちのふるさとから生まれたヒロイン」ということになる。