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【トーハク見聞録 150年のきらめき】 最新調査で弓長く復元、国宝「埴輪 挂甲の武人」

2022.6.30 11:17 共同通信
カラー漫画「トーハク見聞録 150年のきらめき」埴輪挂甲の武人の回(作・いわきりなおと)
カラー漫画「トーハク見聞録 150年のきらめき」埴輪挂甲の武人の回(作・いわきりなおと)

 

 創立150年を迎えた東京国立博物館(トーハク)が所蔵する国宝「埴輪 挂甲の武人」(古墳時代・6世紀)について、河野正訓研究員に話を聞きました。

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 群馬県太田市飯塚町で出土した、立派なよろいかぶとで武装した埴輪です。粘土を素焼きにして作られ、権力者(豪族)の古墳の上や周囲に並べ立てられていたと考えられています。

 鉄板をつなぐためのかぶとのリベットや、防具のひもの結び目など細部までしっかりと表現されており、高い技術と表現力を持った職人によって作られたことが分かります。有力な豪族のために作られたとみられ、埴輪自体も権力者のいでたちをしています。

 右手は大刀の柄に置いて、左手に弓を持っています。頭から足先まで全身フル装備をした、とても勇ましい姿。高さ約130センチと大型で、資料的な価値はもちろん美術的な価値も高い。極めて優れた文化財として、国宝に指定されています。

 長年トーハク考古展示室の顔として親しまれてきましたが、過去の修理に用いた石こうや接着部分の経年劣化は避けられず、2017年から本格解体修理を行いました。調査の結果、当時はカラフルな着彩がされていたことや、弓は左の頬当て部分まで伸びていたことが分かりました。

 全身をクリーニングできれいにし、弓は当時の長さに復元しました。秋の特別展で修理後の姿を初お披露目します。(文の構成と漫画・いわきりなおと)

 【メモ】国宝「埴輪 挂甲の武人」は、東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」(2022年10月18日~12月11日)で通期展示する。