【4824】末廣 大吟醸 玄宰(すえひろ げんさい)【福島県】

2022年06月26日
酒蛙酒蛙
福島県会津若松市 末廣酒造
福島県会津若松市 末廣酒造

 わたくしがなじみにしていた居酒屋のひとつがY店だった。落ち着いた品のあるたたずまいが魅力で、しあわせ気分にひたれる店だった。しかしちょうど6年前、惜しまれながら店を閉じた。その後も、ママが知っている仲間との飲み会があるたび、ママを誘いにぎやかに飲むなど交流を続けてきた。そのママから「末廣 大吟醸 玄宰」をいただいた。ありがたくちょうだいし、家飲み晩酌でいただいた。

 末廣酒造のお酒は当連載でこれまで、12種類を取り上げている。今回の「玄宰」は当連載【1072】ですでに取り上げている。しかし、9年半も前のことなので、再び取り上げることにする。

 上立ち香は、ややメロン。含み香もややメロン。やさしい果実香が広がる。なめらかで軽快な口当たり。味わいでは甘みと旨みがよく出ている。中でも甘みが出ているが、さっぱりとした滑らかな口当たりで、上品なたたずまいを醸し出している。酸は甘旨みほどは出てこないが、甘旨みを下支えしている感じで、味を引き締めている。中盤から余韻にかけては甘みと辛みが味の中心となる。クラシックタイプのミディアムボディのお酒だとおもった。

 瓶と一緒に入ってきた「しおり」は、「『大吟醸 玄宰』とは」と題し、以下のように紹介している。

「『大吟醸 玄宰』は、末廣酒造吟醸酒造りの歴史における、珠玉の商品です。
 弊社は、いち早く大吟醸造りを開始し、長年の研讃の結果、昭和60年(1985年)から全国新酒鑑評会において、東北で初めて5年連続金賞を受賞いたしました。その後も、金賞受賞を重ねた、その技術力で醸した一品です。
 黄色のリンゴのコンポートやメロン、カリンなどの果実酒やオレンジの香り、ほのかに青竹や笹の葉のようなグリーンな香りが調和し、味わいは上品でシャープな印象からエレガントで滑らか、余韻にフレッシュ感を残します。原酒のまま瓶詰めしているためやや濃い目ですが、その中にすっきりとキリッとした味わいが感じられます。
 8~12℃くらいに冷やして、大きめのワイングラスで香りを楽しみながらお召し上がりください」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「究極の鑑評会出品酒。菩提樹の白い花を思わせる香り、甘みと酸味が一体となり、その余韻は気品を感じさせます。原酒を詰めました」

 また、瓶の裏ラベルは、【特徴】と題して、この酒を以下のように紹介している。「末廣大吟醸の最高峰。杜氏と蔵人が一体となり、香り・味共に最上を目指し、35%まで精米した山田錦を使用して醸したお酒です。五感全てを用いて味わって頂ければ幸いです。食前酒として、良く冷やしてお召し上がりください。  会津杜氏 津佐幸明」

 裏ラベルのスペック表示は「使用米 山田錦(使用割合100%)、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、精米歩合35%、アルコール分16度、飲み頃温度 冷して5~10℃◎ 常温10~25℃○」。

 酒名および蔵名「末廣」の由来について、コトバンクは「明治初期まで問屋で符丁とした『アキナイ、スエヒロク』にちなみ命名」と説明している。

 ところで酒名の「玄宰」は、会津藩大老 田中三郎兵衛玄宰(1748-1808年)の名前に由来する。蔵のホームページの「玄宰」の項では、玄宰について、以下のように紹介している。

「会津藩の名家老田中正玄の四世の孫に生まれ、幼名小三郎。若くして田中家を相続、34歳で家老となり、後に大老に任じられました。その頃会津藩は天明の大飢饉の直後で、荒廃した農村経済と藩財政の救済復興が急務でした。
 玄宰は松平容頌・容住・容家の3代の藩主に仕え『寛政の改革』を実行しました。
 農民や町人に養蚕・漆木・薬用人参・紅花の栽培や、漆器・酒造・蝋燭・陶磁器の手工業の殖産興業を勧め、藩校日新館を創設して人材を養成し、軍政を強化しました。
 玄宰は61歳で病没しましたが、遺言によって鶴ケ城と日新館を望見できる小田山山頂に葬られたそうです。
 末廣では毎年、小田山山頂にある田中玄宰のお墓参りに行きます。会津の地場産業の礎を唱えた田中玄宰に感謝の心を込めて…」

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