(715)凍結寸前の水槽なのに結露しないのはなぜ ザラビクニン 

2022年06月15日
共同通信共同通信
ゆったり泳ぐザラビクニン。体がすけて見える
ゆったり泳ぐザラビクニン。体がすけて見える

 

 新潟市の水族館、マリンピア日本海の「佐渡の深海」コーナー。ピンク色がかった透明な体の魚がいた。形もふんわりして、不思議なふんいきだ。全長は25センチぐらいかな。

 担当の新田誠さんによると、ザラビクニンという魚で、ホッコクアカエビをとるかごに入ってくるそうだ。ホッコクアカエビはおすしで食べる甘エビのこと。水深400メートルの深い海でとれる。

 深海は太陽の光も熱もとどかない。水温は低い。「この水槽は水温を1・5度ぐらいにしています」と新田さん。水は0度で氷になるから、もうちょっとで凍ってしまうぐらい冷たい。
 「ガラスにさわってみてください」。そう言われてさわってみると、冷たくない。「二重ガラスで、ガラスとガラスの間には窒素がつまっています。そうすると冷たさが伝わってこないんです」

 冷たい水槽のガラス面は、よくつゆがついて、くもっているけれど、それはガラスの内と外の温度差のため。この水槽がくもっていないのは二重ガラスのせいだったんだ。「それでも湿度の高い梅雨時はやっぱり、つゆがついてしまいます」

 ザラビクニンは水槽の中で卵を産んで繁殖することがある。「展示できるサイズが10センチぐらいだとすると、そこまで育てるのに2年ぐらい。この大きさまでいくなら、3年以上かかると思います」(文・佐々木央)=2022年3月配信