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(713)生きたすがたを見てほしい アカムツ(上)

2022.5.1 11:00
ふ化から16日のアカムツ(マリンピア日本海提供)
ふ化から16日のアカムツ(マリンピア日本海提供)

 

 大きな水槽に赤っぽい魚が泳いでいる。真ん中ぐらいの深さにサギフエやアカアマダイ。底の方に数えきれないぐらいいるのはアカムツだ。

 新潟市の水族館、マリンピア日本海。担当の新田誠(にったまこと)さんに聞いた。
 「アカムツは口の中が黒いので、別名ノドグロとよばれる高級魚です。新潟を代表する魚なので、なんとしても生きたすがたを見てもらいたいとチャレンジしてきました」

 生きたまま、つかまえて飼育できれば手っ取り早い。水深100メートル以上にいる魚なので、底引き網漁でとれるけれど、網の中で圧迫されて死んでしまう。「刺し網漁だと生きてはいるんですが、うろこがはがれたり、深い海と地上の気圧の変化で弱ったりして、長生きできませんでした」

 そこで、とれた魚から卵をとり、かえして育てることにした。初めてふ化したのは12年前。でも10日しか生きなかった。

 研究を続けた。「たとえば、この場所は夜でも、うす明かりをつけています」。明暗の変化に敏感で、明るさが急に変わると、あばれて粘液を出すからだ。「えらが粘液まみれになって酸欠のようになって死んでしまいます」

 水槽から移動させただけでたくさん死んでしまったこともあった。ようやく1歳まで育てて、展示できたのは8年前。その時の新田さんのうれしさ、分かるような気がした。(文・佐々木央)

アカムツは数えきれないぐらい泳いでいた=新潟市の水族館、マリンピア日本海
アカムツは数えきれないぐらい泳いでいた=新潟市の水族館、マリンピア日本海

 

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