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【編集後記】Vol.395=「ファイターズブランド」

2022.5.6 14:34 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
明大との定期戦の後インタビューに答える関学大の大村和輝監督=5月3日・アミノバイタルフィールド
明大との定期戦の後インタビューに答える関学大の大村和輝監督=5月3日・アミノバイタルフィールド

 

 東京を東西に走る私鉄・京王線の明大前駅から特急電車に飛び乗ると、目の前の座席に関学大アメリカンフットボール部の竹田行彦OB会長が座っていた。

 「これだけたくさんの人が乗っているのに、奇遇やね」と竹田会長。3年前にも同じ状況になったことを思い出し、お互いマスクの下で苦笑いした。

 

 5月3日、東京都調布市にあるアミノバイタルフィールドで、明大と関学大の「定期戦」が行われた。

 新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた伝統の一戦は、3年ぶりの開催だった。

 

 1947年に始まった春に行われる伝統校同士の定期戦は、関東のアメフトファンにとっては学生王者・関学大を見ることができる貴重な機会である。

 好天に恵まれたこの日もスタンドには多くの観客が訪れ、甲子園ボウル4連覇中の「ファイターズ」のプレーを見守った。

 

 関学大サイドのバックスタンドは特に多くのファンで埋まった。

 在京のファイターズOBだけではなく、卒業生が母校の誉れをひと目見ようと集まるのも「関西学院」という組織の特徴だ。

 

 関学大の大村和輝監督は、目的である遠征に参加した64人を全て起用したことを明かし「攻守ともに、経験不足が露呈した。(交代メンバーを出した)後半はレベルが落ちた。だいぶ頑張らないといけない」と課題を挙げた。

 

 長年続いた明大との春の試合は「定期戦」という形では今年が最後になる。

 大村監督は「来年以降は、関東のいろんな大学と試合をしたい。(関東に遠征しての試合は)できればやりたいのだが、新型コロナウイルスの影響もあって難しい」と言った。

 

 大学としては、感染リスクがある長距離の移動は、できるだけ避けてほしいと考えるのは当然だ。今回も感染して参加できなかった有力選手が何人かいた。

 

 前述の竹田会長には、定期戦が終わることを残念がる旧知の明大OBから連絡があったそうで、時代の流れとして仕方ないと説明したという。

 

 関東学生連盟の発表では、観客数は1032人。興行面でも「ファイターズブランド」の根強い人気を再認識した憲法記念日だった。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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