抗原検査、偽陰性に注意 「誤った安心」で隔離せず

米疾病対策センター(CDC)は、症状があったり濃厚接触者だったりした場合には、検査結果が陰性でも自宅隔離するよう求めている。すぐに結果が出る抗原検査はうまく使えば感染対策に役立つが、消費者レベルでの解釈の難しさが浮き彫りになった形だ。
チームはオンラインで募集した360人を対象に臨床研究。「コロナに似た症状がある」「感染者と濃厚接触した」などの状況に応じ、抗原検査が「陽性」と「陰性」の場合でどのような対応を取るか答えてもらった。
すると結果が陽性の場合は参加者の95%が自宅隔離すると回答。一方、有症状で濃厚接触者という最もコロナの疑いが強い場合でも、検査が陰性だと36%の人が同居家族との接触を避けて自宅隔離するなどきちんとした措置を取らないことが判明した。
チームは、米食品医薬品局(FDA)が認可した抗原検査キットの説明文書が分かりにくい問題点を指摘。陰性の場合は感染の可能性が低いとの記述が強調され、偽陰性について十分な説明がされていない面があった。
チームの研究者は「検査で誤った安心感を得てしまう恐れがある。正しく使ってもらうため多くの人が理解しやすい説明が必要だ」と指摘する。
研究は米医師会雑誌JAMAの関連誌に発表した。