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【編集後記】Vol.387=「WHO DEY」

2022.1.19 14:31 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
プレーオフのレイダーズ戦で熱い声援を送るベンガルズファン(AP=共同)
プレーオフのレイダーズ戦で熱い声援を送るベンガルズファン(AP=共同)

 

 米オハイオ州のシンシナティに本拠地を置くNFLのベンガルズが、プレーオフで31年ぶりの勝利を挙げた。

 オハイオ州といえばテキサス、カリフォルニア州などと並びフットボールが盛んな土地柄で、熱狂的なファンが多いことで知られている。

 

 ベンガルズは過去に1982年と89年にスーパーボウルに出場し、ともに49ersに敗れている。

 マイアミで開催された89年の23回大会は、49ersの名QBジョー・モンタナの「マジック」にしてやられた。

 

 残り試合時間3分20秒でベンガルズが16―13とリードし、49ersの攻撃は自陣8ヤードから始まった。

 モンタナは短いパスとランプレーを巧みに使い分け、残り34秒にTEの位置に入っていたWRジョン・テイラーへ10ヤードのTDパスを決めて20―16と逆転した。

 この鮮やかな逆転劇は「ザ・ドライブ」と名付けられ、今も語り継がれている。

 

 2試合とも49ersの引き立て役に回ったベンガルズだが、今季は2019年シーズンにルイジアナ州立大(LSU)で「ハイズマン・トロフィー」を受賞した2年目のQBジョー・バーロウが故障から復帰。地元ファンから3度目のスーパーボウル出場が期待されている。

ベンガルズの若きエースQBジョー・バーロウ(AP=共同)
ベンガルズの若きエースQBジョー・バーロウ(AP=共同)

 アイオワ州で生まれ幼少時にオハイオ州に転居したバーロウは、オハイオ州立大から活躍の場を求めてLSUに転校した経歴を持つが、憎きモンタナと同じ「ジョー」に対するファンの思いは熱い。

 

 ベンガルズのグッズに書かれた「WHO DEY」は「誰がベンガルズを倒せるのか?」という意味だそうで、ファンはスタジアムの内外でこのフレーズを連呼し相手チームを威圧する。

 89年大会でも、大いに盛り上がった。

 ベンガルズファンの「WHO DEY? WHO DEY?」に対抗して、49ersファンは「WE DEY! WE DEY!(我々が倒す)」と応じた。

 

 初めて現地で取材したスーパーボウルは、試合内容に鳥肌が立っただけではなく、地元に根付く強いチーム愛を感じた。

 興奮は収まらず、ニューヨーク支局から来た先輩記者とホテルのバーで朝まで飲み、危うく帰りの飛行機に乗り遅れそうになったのも、今となってはいい思い出だ。

 

 56回目となる今年のスーパーボウルは日本時間の2月14日、カリフォルニア州イングルウッドにあるソーファイ・スタジアムで開催される。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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