小児を受動喫煙から守れ アレルギー疾患に悪影響

同学会受動喫煙防止ワーキンググループは、胎児期の母親の喫煙を含め、胎児や小児がたばこの影響を受ける受動喫煙がアレルギー疾患にどう関係するかを内外の論文を集めて調べた。
その結果、小児ぜんそくを発症させたり重症化させたりするリスクは、研究によって3段階の根拠レベルで最上位のAの強い関連があり、受動喫煙防止が強く推奨されるとした。
小児の呼吸機能を低下させる可能性もレベルAと高く、せきやたんの増加については根拠レベルはBだったが、いずれも強い推奨とされた。
小児アレルギー性鼻炎との関連を支持する質の良い研究はなかったが、多くの研究が悪化のリスクであるとしたため「弱い推奨」。体に異物が入りアレルギーのきっかけとなる「抗原感作」との関係は、胎児期には関連性が見いだせないが、出生後はレベルBで、強く推奨されるとした。
一方、小児の食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の発症との関係は、従来の研究からは認められず、今後の検証が待たれるとしている。
ワーキンググループの委員長として結果をとりまとめた池田政憲岡山大特命教授(小児アレルギー医学)は「成人に比べて小児の受動喫煙はまだまだ注目されていない。アレルギー以外の疾患にも悪影響がある恐れがあり、今後検討が進み、さらに対策が促進されるよう期待したい」と話した。