5年で196人救急搬送 東京「ながらスマホ」事故

全体の8割以上が軽症だが、27人は入院が必要な中等症以上。救急車を呼ぶに至った事例に限った数字で、同庁は「画面を見ていると周囲が見えなくなるので大変危険だ。自分自身がけがをするだけでなく、周囲の人にけがを負わせることもある」と注意を促した。
内訳は歩行者が165件、自転車が30件など。年齢別では20代がピークで、20~50代が全体の7割を占めた。発生場所では、全体の7割に当たる144人が道路や駅などの交通施設だった。
状況としては「操作しながら」「画面を見ながら」「使用しながら」が計80%。一方「通話しながら」は9人で、携帯端末に視線を取られて周囲への注意がおろそかになる危険性が明らかになった形だ。
事故の種別では、人や物、自転車などに「ぶつかる」事故が40%と最も多く、以下「転ぶ」が31%、「落ちる」が27%の順。
具体例として同庁は「スマホを見ながら自転車で走行中、止まっていた乗用車の後方に衝突して重症を負った」「スマホを操作しながら歩いていて、張られたチェーンに足を取られて転倒、膝に中等症のけがをした」「歩きスマホで駅のホームから線路に転落し、腰に中等症のけがをした」などを挙げた。
自転車スマホについては、東京都が規則で禁止するなど各自治体に規制の動きが広がり、警察庁も道路交通法の安全運転義務違反に抵触するとしている。