(665) 生まれたばかりでもたくましい マーラ

静岡県東伊豆町(ひがしいずちょう)にある伊豆アニマルキングダムの「わくわくふれあい広場」には、たくさんの動物がいる。
ハリネズミやアルマジロは自分の部屋に。
自由に歩き回っているのはカピバラたちだ。
でも、カピバラより小さい動物があちこちにいる。小型犬ぐらい。犬みたいに前足をのばし、後ろ足をたたんだすがたで、あまり動かない。
「マーラです。この動物はなんですかって聞かれることが一番多い動物です」と担当の石黒安捺(あんな)さん。
南アメリカのアルゼンチンとチリにいる齧歯類(ネズミの仲間)だ。カピバラが世界最大の齧歯類というのは有名だけれど「マーラは世界で4番目に大きい齧歯類です」
「何頭いるんですか」と聞くと「20頭ぐらいです」とちょっとあいまいな答え。
どうしてかなと思ったら「ついこの間、子どもが生まれて、それに続いて、もうすぐ子どもが生まれそうなんです」と石黒さん。
しばらくしてまた見に来ると、かこわれた場所を石黒さんがじっと見ている。小さいマーラが2頭、お母さんのおっぱいに吸いついている。
「さっき生まれたばかりです。あまり近よらないで、そっと見てください」
生まれたての赤ちゃんはおっぱいを吸いおわると、もう、囲いの外に出ようとしている。なんてたくましいんだ。(文・写真、佐々木央)