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「息子たち」から届いた感謝の言葉 2021年シーズン報告

2021.12.2 10:00 中村 多聞 なかむら・たもん
試合後、IBMの選手と記念写真に収まる中村多聞さん=中村多聞さん提供
試合後、IBMの選手と記念写真に収まる中村多聞さん=中村多聞さん提供

 

 またまたお久しぶりのコラムになりました。

 自分自身初の試みである二つの社会人チームのコーチをした秋シーズンは毎週必ずゲームがあり、先日のリーグ最終戦までで合計11試合。

 それに加えて学生、社会人に関わらず過去に携わったり指導した選手の試合もありましたので、今年度も大忙しで楽しく過ごさせてもらいました。

 

 皆さんもご存知かとは思いますが、シーズンの報告をさせていただきます。

 X1エリアの電通は3勝3敗で12チーム中8位でした。4位までに入ることができれば、今年度だけの特別ルールで上のX1スーパーに自動昇格できたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。

 

 そしてX1スーパーのIBMは、リーグ戦序盤に白星がなく非常に苦労しましたがどうにか生き残りリーグ4位なりました。

 上位4チームで争うプレーオフ進出を決めましたので、もうしばらくシーズンが続くことになり、ゲーム後は僕のお店「ゴリゴリバーガー」でこぢんまりと祝宴を開催し喜びを分かち合いました。

 ここ数年「BIG3」と言われて圧倒的な強さを誇るオービック、富士通、パナソニックの牙城を崩すことができるのか、非常に楽しみであります。

 

 学生リーグも終わり、順位決定戦や入れ替え戦がありました。負けて終わりのチーム、勝って終わりのチーム、以前関わっていた京都大と早稲田大の結果はとても気になりました。

多聞コーチの教えを受けた京都大のRB陣=中村多聞さん提供
多聞コーチの教えを受けた京都大のRB陣=中村多聞さん提供

 

 京都大の4回生からは「いやー、なんとか勝ちましたよ。4年間ありがとうございました!」という嬉しい元気な報告を試合後すぐにもらい嬉しい気持ちになれたのですが、負けてしまった早稲田ボーイズからの悔し涙を流しながらの報告には、こちらも心が締め付けられました。

 

 目標を達成できず、これほどまでに悔しいと感じた経験は初めてのことでしょう。

 毎年同じことを言っていますが、大学生活のほとんどをフットボールに費やし、今は悔しくて悲しくてどうしようもないでしょうけれど、頑張ってきた時間は必ず将来の糧になるはずなので、また次の新しい目標を見つけて人生を楽しんでほしいと思っています。

 残りの学生生活はゴリゴリバーガーでアルバイトをして人生経験を積んでくれるそうなので、いきなりサヨナラではないのが僕としてもありがたいです。

シーズンを終え中村多聞さんが経営する「ゴリゴリバーガー」でアルバイトをする早稲田大の選手=中村多聞さん提供
シーズンを終え中村多聞さんが経営する「ゴリゴリバーガー」でアルバイトをする早稲田大の選手=中村多聞さん提供

 

 僕には既に成人した二人の娘がいますが男の子はおりません。でもここ6年間のコーチ活動で18歳から30歳以上と幅はありますが多くの選手と知り合い、息子のように思って付き合いをしてきました。

 中には僕を毛嫌いしてシーズンが終わるや否や一切の連絡を取ってくれない選手もいますが、引退してもチームが変わっても家に遊びに来てくれる「孝行息子」も多く存在します。

 

 僕は変わり者ですので、子どもの頃から周りの人に「嫌われる」と「好かれる」がはっきり分かれる人付き合いには慣れています。

 万人に好かれるとは到底思っておりませんので「去る者は追わず」です。でも、慕ってくる稀有な人のことは上記のように「ファミリー」として扱おうとしてきました。

 年が離れていれば息子や娘。年齢が近ければ兄弟、親戚のように。ずっと年上であれば親父のように接してきました。

 

 フットボールの世界であれば、RBのスペシャリストとしての僕の知識や経験などを吸収したいと思ってくれる選手に、僕の全てを惜しみなく伝えています。

 まだ実力が足りておらず、残り時間の少ない選手には日々のノルマが大きく重くのしかかります。

 目標を設定しているのは本人ですので、挫けて僕の元を去るも良し、食らい付くも良しです。

 食らい付いてくる選手がいれば短期間でも長期間でも寝食をともにし、彼らの夢が叶うように、目標を達成できるように僕も365日の全てをかけてきたここ数年でした。

 

 残念ながらどの教え子も最後は悔し泣きになってしまっており、チームにとって大切な勝敗という重要な決断に関われないポジションコーチの限界を感じています。

 

 新型コロナウイルスに半分ほど邪魔されてしまいましたが、4年間頑張った「息子たち」からの感謝の言葉がめちゃくちゃ嬉しかったというお話でした。

 毎週ゲームをしていたシーズン中は、どうしても頭の中がチーム関係のことばかりになってしまっていてコラムが書きづらく、休載ばかりでごめんなさい。

 楽しみにしてくださっている読者の皆さんには、ご迷惑をおかけしました。また頑張ります!

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は東京・西麻布にあるハンバーガーショップ「ゴリゴリバーガー」の代表者。

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