残り2枠を4チームが争う X1エリア、見どころ満載のX1スーパー昇格争い

日本社会人XリーグはトップリーグのX1スーパー、それに次ぐX1エリアもレギュラーシーズンはあと1節を残すのみとなった。
X1スーパーは上位4チームが12月12日に横浜スタジアムと大阪・ヤンマースタジアム長居で行われるセミファイナルに進出し、その勝者が今シーズンから新対戦形式となった日本選手権(ライスボウル、来年1月3日・東京ドーム)で日本一を争う。
11月20~23日に最終節を迎えるX1エリアは、X1スーパーへの昇格をかけた激しい戦いが展開されている。
現在8チームが所属するX1スーパーは、来季から12チームの2ディビジョン制に移行するため、今季のX1エリアの上位4チームが自動昇格する。
アサヒ飲料(5勝0敗、勝ち点15)とアサヒビール(5勝0敗、勝ち点15)はすでに昇格が決まっており、21日にX1エリアの優勝をかけて富士通スタジアム川崎で対戦する。
残る2枠を争うのはイコールワン福岡(4勝1敗、勝ち点12)、警視庁(4勝1敗、勝ち点12)、電通(3勝2敗、勝ち点9)とディアーズ(3勝2敗、勝ち点9)の4チームだ。
このうちイコールワン福岡と電通は21日に東平尾公園博多の森陸上競技場で生き残りをかけた直接対決を迎える。
イコールワン福岡と警視庁は最終節の試合に勝つか引き分ければ、他チームの結果に関係なく昇格が決まる。電通とディアーズは最終戦に勝った上で、他チームの勝敗次第で昇格の望みがある。
イコールワン福岡以外は試合に負けた瞬間に昇格が絶望となるので、どのチームも必死な思いで最終節に臨むことになる。
イコールワン福岡はこの4チームの中で最もタレントのそろったチームと言っていい。
立命大時代にスターQBとして活躍した西山雄斗の、パス獲得距離921ヤード、TDパス10は、ともにリーグ3位の成績だ。

WRドニー・キングやRBブランドン・ベリーといった外国籍選手はビッグプレーが期待できる。
また、2年目の伊藤嵩人はWRとQBを兼任。Xリーグが表彰する週間MVPでオフェンス部門とプレー・オブ・ザ・ウイーク部門で2度選出されているほどのプレーメーカーだ。
警視庁は今シーズン大きく飛躍したチームだ。昨年はリーグ参加を辞退したが、今季はフィジカル面を鍛え直して復活。X1に昇格後最多となる4勝を挙げている。
今季2回のキックオフリターンTDを記録している俊足RB富澤友貴を中心としたランオフェンスが強力で、最近2試合では第4クオーター終盤の土壇場で逆転するなど勝負強さも備わってきた。「台風の目」としてX1エリアで存在感を示してきたチームだ。
電通は攻守ともにスピードがあり、フィジカル面で優れている。QB柴崎哲平のパスは正確で安定しており、今季5TDパスキャッチのWR小貫哲とホットラインを形成する。
ディフェンスはDL藤本優臣やDB詫間陽介らが安定感を誇る。前節ではパイレーツに7―14で敗れ、昇格レースで足踏みした。
ディアーズは開幕3連勝の後、アサヒビールとアサヒ飲料に連敗。昇格の望みを富士フイルム戦にかける。
QB大和田昌太郎はポケットの中で冷静にレシーバーを探すことでパスを成功させるが、アサヒ飲料戦でWR田邊翔一に通した68ヤードのTDパスのように、ディフェンスの一瞬の隙を突いたピンポイントのパスを投げることもできる好パサーだ。
ディフェンスも今季2試合で完封するなど堅固だ。攻守がうまくかみ合うことが富士フイルム戦の鍵だ。
残り二つの昇格枠を4チームが最終節で争うという興味深い展開だ。X1エリアはこれまで行われた30試合中、約3分の1にあたる9試合が7点差以内で決着している。
最後のプレーが勝敗を分けた試合も少なくなく、見応えのある試合が続く。
最終節はそこに昇格争いというエッセンスが加わる。12チーム制での最後となる今節も多くの激戦が期待できる。