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【編集後記】Vol.373=「スピードスター」

2021.10.8 12:43 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
抜群の身体能力で日大守備陣を切り裂いた法大RB星野凌太朗選手(1)=撮影:高木信利
抜群の身体能力で日大守備陣を切り裂いた法大RB星野凌太朗選手(1)=撮影:高木信利

 

 関東の大学アメリカンフットボール界に、久しぶりに本格派の「スピードスター」が現れた。法大の3年生RB星野凌太朗選手だ。

 

 10月3日、東京・アミノバイタルフィールドで行われた関東大学リーグ1部TOP8の日大戦。法大は昨季も初戦で対戦し敗れたライバルに35―28で雪辱した。

 日大三高(東京)時代はQBだった星野選手は、第2クオーターにTE中木隆平選手に4ヤードのTDパスをヒットした。

 

 さらに、前半終了間際にはQB平井将貴選手からWR小山昭瑛選手に渡ったボールをバックワードパスで受け、63ヤードのTDに結びつけた。

 21―21で迎えた第3クオーターに決めた、97ヤードのキックオフリターンTDは「ボールをキャッチした瞬間に、いけると思った」という。

 

 40ヤードを4秒49で走るスピードは、もちろんチーム一。172センチ、73キロの体が、プレー中はとても大きく見える。

 「普段は穏やかな性格だが、内に秘めた闘志がプレーに出る」。関係者の「星野評」である。

 

 昨年までの「30」から番号を「1」に変えた。「一桁の番号を付けたかった」というのがその理由だ。

 法大RB伝統のエースナンバーは「29」。1972年に、法大が初めて出場した「甲子園ボウル」で関学大を破って優勝したとき、当時3年生だったテールバック(TB)高田洋一さんが付けていた番号である。

 メンバー表を見ると、今年のチームは「29」が欠番になっている。「4年生になったら付けるのかな?」という問いに、星野選手は笑って答えてくれなかった。

 

 ボールを持つと何かをやってくれそうな雰囲気がある星野選手には、あまり学生を褒めない有澤玄ヘッドコーチも「すごい選手」と目を細める。

 けがをしないことも、コーチ陣の信頼を集める要因だ。

 パス中心のオフェンスが主流で、レシーバーが脚光を浴びる最近の学生アメフト界にあって、見る側を楽しませてくれるRBの存在は頼もしい。

スピードが魅力の法大RB星野凌太朗選手(1)=撮影:高木信利
スピードが魅力の法大RB星野凌太朗選手(1)=撮影:高木信利
 

 

 関東学連は、10月23日のTOP8第2節の試合から「有観客」でのリーグ戦実施を決めた。

 2012年以来、9年ぶりの甲子園ボウル出場を目指す「法政オレンジ」のスーパーアスリートに注目だ。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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