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連覇目指すバッカニアーズに安定感 日本時間9月10日開幕のNFL

2021.9.8 12:11 生沢 浩 いけざわ・ひろし
44歳になっても衰えを見せないバッカニアーズのQBトム・ブレイディ(12)(AP=共同)
44歳になっても衰えを見せないバッカニアーズのQBトム・ブレイディ(12)(AP=共同)

 

 NFLの2021年シーズンは9月9日(日本時間10日)、昨季優勝のバッカニアーズが、ホームのフロリダ州タンパにカウボーイズを迎えるオープニングゲームで開幕を迎える。

 

 昨年と大きく違うのは、観客の入場が認められていることだ。

 最終判断はスタジアムが位置する自治体の判断に委ねられ、観客もワクチン接種完了の証明書の提示を求められる可能性があるなどいくつかの制限はあるものの、おおむね観客動員は解禁される。

 昨年オープンしながら観客を入れられなかったレイダーズの「アレジアントスタジアム」は、今季初めてファンが足を踏み入れる。

 

 スーパーボウルチャンピオンのバッカニアーズは、戦前の評価がすこぶる高い。

 QBトム・ブレイディは44歳となったが、もはやこの選手の衰えを危惧する人は少数派だ。今年も正確無比なパスは健在と見ていいだろう。

 

 バッカニアーズが盤石だと言われるのは、昨年のスーパーボウル時の攻守の先発メンバーが一人も欠けていないからだ。これは奇跡に近い。

 特に、昨年のバッカニアーズのようにフリーエージェント(FA)を中心に補強したチームで主力選手の離脱者が出ないというのは、過去にほとんど例がない。

 連覇を達成すれば、2003~04年シーズンにかけてのペイトリオッツ以来となる。

 

 オフェンスはスターぞろいだ。ブレイディを筆頭にWRマイク・エバンス、クリス・ゴドウィン、アントニオ・ブラウン、TEロブ・グロンコウスキー、RBレナード・フォーネットらがスキルポジションを務める。

 さらに、昨年は故障で貢献できなかったTEのO.J.ハワードが復帰するのでレシーバー陣はさらに充実した。

 ディフェンスもLBを中心に人材が豊富だ。デビン・ホワイト、ジェイソン・ピエールポール、シャキール・バレット、ラボンテ・デービッドの先発メンバーは、NFL最強クラスのユニットだ。

 

 バッカニアーズが所属するNFC南地区のライバルであるセインツは、QBドルー・ブリーズの引退で戦力の低下が予想される。

 同地区にはほかに対抗できるチームはなく、地区優勝でプレーオフ進出という青写真を描いているはずだ。

 

 そのバッカニアーズに対抗できる力を持つのは、昨年もNFC決勝まで駒を進めたパッカーズだ。

 退団の噂もあったエースQBアーロン・ロジャースは、あと1年だけチームの残ることを決断した。

パッカーズでは最後のシーズンになるQBアーロン・ロジャース(12)(AP=共同)
パッカーズでは最後のシーズンになるQBアーロン・ロジャース(12)(AP=共同)

 QBの世代交代を進めたいチームとの間の溝は深まるが、フィールド上ではプロフェッショナルらしく昨年のシーズンMVPにふさわしいパフォーマンスを披露するだろう。

 

 プレーオフの常連であるシーホークスも注目だ。ラッセル・ウィルソンはQBとしての円熟期に入り、安定感は抜群だ。

 スピードのあるWR、DKメトカーフとのホットラインでスタジアムを沸かせるだろう。

 看板のディフェンスは、CBシャキール・グリフィンが退団してセカンダリーは若手中心の布陣に移行する。このポジションの出来がディフェンス全体の鍵を握ると言えそうだ。

 

 AFCは今年もチーフスが頭一つ抜けている印象だ。昨年のスーパーボウルではバッカニアーズの激しいパスラッシュの前に、QBパトリック・マホームズが本領を発揮できないまま敗れた。

 その反省からOLはすべてのポジションで新スターターを迎えてシーズンに臨む。

 

 オフェンスはWRタイリーク・ヒル、RBクライド・エドワーズエレイア、TEトラビス・ケルシーといったプレーメーカーがおり、マホームズのターゲットは豊富だ。

 ディフェンスはパスラッシュが課題とされるが、そこが改善されればAFCで最もスーパーボウルに近い存在だ。

今季もプレーぶりが注目されるチーフスのQBパトリック・マホームズ(AP=共同)
今季もプレーぶりが注目されるチーフスのQBパトリック・マホームズ(AP=共同)

 

 そのチーフス越えを目指すレーベンズは、昨年も取り組みつつ解決できないまま終わったQBラマー・ジャクソンのパス改善が大きな課題だ。

 ジャクソンは、2年連続で1000ヤードラッシュを達成するなどラン攻撃は申し分ない。

 しかし、プレーオフで勝ち進むためには昨季リーグ最下位だったパスオフェンスの向上は不可欠だ。

 

 レーベンズ以上にチーフスへの対抗馬として期待したいのがビルズだ。

 デビュー以来毎年着実に進歩を見せてきたQBジョシュ・アレンは言わずもがな、昨季にAFC決勝まで勝ち進んだことでチーム全体に自信がみなぎっている。こういうチームは強い。

 シーズン中に連勝を重ねて、チーム内にさらにいい緊張感が生まれれば、1993年シーズン以来となるスーパーボウル出場も現実味を帯びてくる。

 

 今年からレギュラーシーズンゲームが1試合増えて17試合制となる。

 両カンファレンスで14枠あるプレーオフと、その先にある頂上決戦のスーパーボウル(2022年2月13日、日本時間14日・ロサンゼルス)を目指す戦いが始まる。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。英字新聞ジャパンタイムズの運動部長を経て現在は日本社会人アメリカンフットボール協会の事業部広報兼強化部国際戦略担当。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。大学時代のポジションはRB。日本人で初めて「Pro Football Writers of America」の会員となる。

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