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【聖火リレー アラカルト】 「亡き夫の願いかなえる」 静岡の幼稚園教諭宮内さん

2021.7.2 13:00 共同通信
静岡新聞代表撮影、静岡県三島市を走る聖火ランナーの宮内千夏さん=24日午後
静岡新聞代表撮影、静岡県三島市を走る聖火ランナーの宮内千夏さん=6月24日午後
 静岡県三島市の幼稚園教諭宮内千夏さん(54)は6月24日、およそ3年前に亡くなった夫の願いを代わりにかなえようと、東京五輪の聖火リレーに参加した。
 「俺が聖火を持って走ったら、子どもたち驚くだろうな」。中学の体育教師だった夫和彦さんは生前、口癖のように何度も語っていたという。4歳だった1964年の前回東京五輪で、市内の国道を走る聖火ランナーに旗を振ったことが、強く印象に残っていたらしい。
 「陰口をたたかない、誠実な性格」にひかれ、91年に結婚。結納は、64年東京五輪の開会式が行われた「体育の日」だった。その後、3人の子どもに恵まれ、長女は既に所帯を持った。
 高校時代に卓球でインターハイに出場するなど、健康なスポーツマンだった和彦さんだが、2016年から糖尿病が悪化。週に3度の人工透析治療を受けながら教壇に立ち続けたが、18年9月、トーチを掲げぬまま、58歳で帰らぬ人となった。
 19年、和彦さんの夢だった聖火ランナーに応募すると、まさかの当選。「主人の気持ちが伝わったんだ」。仏壇の和彦さんに、当選者の名前が載った新聞を広げて見せた。
 24日、地元の三嶋大社の境内を声援に応えながら軽快な足取りで駆け抜けた。和彦さんに与えられた大役を無事務め上げ、ほっとした様子でこう語った。「主人に思いを届けられた。主人も『ありがとう』と言ってくれている気がします」