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病院のサイバー環境に脆弱さ 国の指針活用わずか28%

2021.6.29 0:00

 日本の医療機関のうちサイバー環境に関する安全管理の厚生労働省ガイドラインを活用している施設は28%に過ぎないことが日本医師会と医療機器センターの合同調査で分かった。行政の取り組みを知り、専任人材の確保と費用の手当てによりセキュリティーを高めるよう勧めている。

 
 

 全国から抽出した計1万の病院と診療所に「現状」「行政の取り組みの認知度」「リスク管理」「トラブルの発生状況」を尋ね、2989施設からの回答を日本医師会総合政策研究機構の坂口一樹、堤信之両主任研究員が集約、分析した。

 その結果、「院内のネットワーク構成の計画的見直し」をしているのは6%どまり。7割以上はサイバー攻撃や不正アクセスの届け出先や相談窓口を知らなかった。
 海外では不正アクセスで得た患者データを“人質”に身代金を要求する事件があり、日本でも電子カルテや手術に支障が出るケースがある。今回の回答には患者に直接的な危害があった事例はなかったが、個人情報入りのファクス誤送信(9%)、端末のウイルス感染(6%)、メモリー媒体の紛失・盗難(4%)などが起こっていた。
 医療現場の要望としては「費用の公的支援」61%、「自施設の対策レベルのチェック」56%、「学べる場所」44%など。研究チームは、医療安全の対策にある「起こった事象を分析して対策に反映するPDCAモデル」がサイバーセキュリティーにも有用だと指摘。手始めにガイドラインや届け出、相談の窓口を認知するよう勧めている。
 長期的には、大病院では自前の人材育成を、中小では地域での人材のシェアを提案。それに必要な費用の公的に支える医療費や助成の政策が必要だと提言した。

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