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【聖火リレー アーカイブス(80)】 聖火見守る奇跡の一本松 支援に感謝、被災者走る

2021.6.21 12:00 共同通信
「奇跡の一本松」(左)からスタートした岩手県陸前高田市の聖火リレー(右奥)=17日夕
「奇跡の一本松」(左)からスタートした岩手県陸前高田市の聖火リレー(右奥)=17日夕
 東京五輪の聖火リレーは17日、岩手県で2日目を迎えた。東日本大震災で関連死を含め1761人が犠牲となった陸前高田市では、「奇跡の一本松」を巡った後、震災で消防団員の仲間11人と父親を亡くした理容師米沢伸吾さん(44)が走った。
 「五輪は建築資材不足を招き、復興の足かせになる」と当初は懐疑的だったが、次第に五輪・リレーを通じて支援への感謝を世界に発信したいと思うように。軽快な足取りで走り終え「(リレーは)楽しい時間だった。震災でがれきだらけになったが、生活できる陸前高田が戻ったと伝えたい」と話した。
 聖火は2019年にラグビー・ワールドカップ(W杯)の会場となった釜石市も通過。新日鉄釜石(現・釜石シーウェイブス)の黄金期を支えた日本ラグビー協会の森重隆会長(69)が聖火をつなぎ、「(W杯で)スポーツは人の心を動かすと改めて感じた。コロナでどんな形になるか分からないが、皆がやって良かったと思う五輪になってほしい」と語った。
 宮古市では、東日本大震災の津波で自宅の1階が被害に遭った高校1年本多美紀さん(15)が、国内外から受けた支援への感謝を胸に市街地を走った。
 本多さんは震災当時5歳。約1カ月半にわたって避難所生活を余儀なくされ、4カ月後にはかわいがってもらった祖父緋佐志さん=当時(80)=を震災関連死で失った。笑顔で手を振りながら駆け抜け「おじいちゃんもスポーツが好きだったので喜んでくれたと思う」と話した。