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野球とアメフトで甲子園を知る男 プロ野球入り目指す吉村優選手

2021.6.17 11:31 中村 多聞 なかむら・たもん
2019年の関学大との甲子園ボウルでQBとしてプレーする吉村優選手=早稲田スポーツ新聞会提供
2019年の関学大との甲子園ボウルでQBとしてプレーする吉村優選手=早稲田スポーツ新聞会提供

 

 先日受けた目の「レーシック手術」で自動車の運転がしやすくなり、グラウンドでは遠くのボールの行方などがクッキリと見えるようになりました。

 その代償というのか、スマホを見るのがしんどいほど近くが見えづらい「老眼」になってしまい、今さらですが世界観が大きく変わった中村多聞でございます。

 

 今回は、野球の社会人クラブチームに所属しプロ野球入りを目指す吉村優選手(22歳、早稲田大学ビッグベアーズOB)にインタビューしてみました。

 現在は大学院で学んでいる吉村選手は、早稲田実業学校高等部では野球のピッチャーをしていました。大学ではアメリカンフットボール部のQBとしてプレーし、野球とフットボールの両方で甲子園球場の土を踏んだ経歴の持ち主です。

 今回はそんな吉村選手に根掘り葉掘り聞いて、皆さんにご紹介できればと思います。読み終わった時には、皆さんが吉村選手を応援したくなるようなっているといいのですが。

 

 ―野球に目覚めたのはいつ。

吉村:小学校3年になったばかりの頃、公園へ行って父親とキャッチボールしたのが野球との出会いです。

 ―体について特に注意していることは。

吉村:硬くならないようにしたいというのが一番なので、トレーニングの後や練習の後はしっかりストレッチをします。歩く時なども全身を使って歩くように注意しています。

 ―旅行してみたい場所は。

吉村:海外に行ったことがないので、アメリカのスタジアムへメジャーリーグやNFLを見に行ってみたいですね。

 ―人生を変えた映画は。

吉村:ベン・スティラーの監督・主演のアメリカ映画「LIFE」です。とにかくやってみるということの大切さを学びました。それまでの自分は、やりたいなと思っても行動に移さない、いいと思ったことや興味を持ったことができない人間だったんです。

 ―好きな景色は。

吉村:とてもしんどいトレーニングや練習を終えた後、シャワーを浴びたあの瞬間です。やり切ったって感じがしてとても好きな景色ですね。あと、試合開始前にきれいに整備された真新しいマウンドに向かっていく時の景色です。緊張感も相まってすごく特別な景色ですね。

 ―人生で一番叱られたことは。

吉村:アメフトの普段の練習でボールを持った時、大勢の守備選手に向かって勢いよく突っ込んで行かないとならないシーンで、ちょっと臆してしまいしっかり突っ込めなかったんです。その時はどえらく叱られました。

多聞:今どきそんなコーチいてる?

吉村:それ多聞さんです!

多聞:優しく優しく、褒めて褒めてが僕の信条なんだけどね。おかしいな。

 ―野球をしていた頃に理不尽と感じたことは。

吉村:高校の時はめちゃくちゃいっぱいあります。野球部だけの「独自訓戒」がありまして、挙げるときりがありません。例えば、学校の昼休みに図書室でテレビの「ピタゴラスイッチ」を見ていたのを先輩に見つかって坊主頭にさせられました。

多聞:なんで「ピタゴラスイッチ」見たらあかんの?

吉村:昼休みは教室にいなければならないんですよ。

多聞:それで坊主頭かいな。厳しいな。

吉村:それから、校舎とグラウンドの間は電車で移動するのですが、学年によって乗っていい車両が決まっているんです。

多聞:学年で何両目とか指定されているってこと?

吉村:はい、下級生はこの車両というふうになっていました。授業が終われば部員は電車でグラウンドへ移動するのですが、下級生は上級生より先に到着し全ての雑用を済ませておかないといけません。でも、授業が終わる時間も上級生とだいたい同じなので、結局は同じ電車に乗るわけですが、下級生は決められている車両が改札から遠いので絶対に遅くなるじゃないですか。だからといって、駅構内をダッシュするのはマナーが悪いので走れない、という感じでした。

社会時クラブチームでプレーする吉村優選手=中村多聞さん提供
社会時クラブチームでプレーする吉村優選手=中村多聞さん提供

 

 ―野球とフットボール、どうして野球の方が人気があると思いますか。

吉村:やっぱりアメフトは装具が大層ですもんね。手軽に楽しめる遊びでキャッチボールみたいなことがやりにくいじゃないですか。とりあえずやれるって感じがいいんじゃないでしょうか?

多聞:キャッチボールならアメフトでもできるのでは。

吉村:ボールがないじゃないですか。

多聞:通販で簡単に買えるやん。

吉村:防具つけてガシッと当たるとかが「痛くないの? 怖くないの?」って周りの人によく聞かれますよ。痛いから嫌だ、怖いから嫌だってなるみたいです。

多聞:アメフト選手でも痛いからって怖がりよるやん。

吉村:ハハハ、そうですねー。

 ―フットボールをやってみて驚いたことは。

吉村:僕は体も大きいので、体当たりなら負けないと思っていましたが、いざやってみると弾き返されたりして、当たるのにもスキルが必要なんだと知った時ですね。それから、ボールを投げるのが野球をやっていたのにとても難しかったことです。

多聞:それは最初の習い方か教え方が悪いだけやって。小学生の時、大人用のボールでも俺の友達はそれなりに投げられたもん。

吉村:あれ、おかしいなー、僕が下手くそだっただけかな。

多聞:他には?

吉村:防具が全然全身を覆っていないことです。腕とかもむき出しじゃないですか。ヘルメットが当たったらどうするんだって思っていました。

多聞:へえー、なるほどね。

吉村:ヘルメットとヘルメットでガチャンって当たるじゃないですか。あれにはびっくりしました。

多聞:子どもの頃に、友達と頭突きしたりしなかったの?

吉村:なかったですね。

多聞:なんでやねん!

吉村:あの衝撃には驚きました。こんなことするんだと。あと、これはスキル的なことなんですが、走り方ですね。とにかく早く走ればいいと思っていたので、スピードを出し始める時や、出した後の走り方だったり用途に応じてキッチリ使い分けるんだというのを理論的に多聞さんから教えてもらった時にはすごく驚きました。

 ―宝物は。

吉村:野球のグローブです。今使っているグローブです。高校入学の時に、フルオーダーのスペシャルなグローブを、亡くなったおじいちゃんに買ってもらったんです。野球をしていなかった間もしょっちゅう磨いたりしてピカピカにしていた大切なグローブで、とても気に入っています。

 ―どんな家庭で育ったのか。

吉村:僕は一人っ子で、両親も若いので小さい頃から一緒に野球をしたり、旅行だとかいろいろ連れて行ってくれる環境で育ちました。

 ―なりたい職業は。

吉村:プロ野球選手です。

 ―彼女と食べたいものは。

吉村:やっぱりハンバーガーですね。美味しいハンバーガーを食べに行きたいです。

 ―将来住みたい場所は。

吉村:日本じゃないところに住みたいのでハワイです。ハワイならどこでもいいです、というかハワイのことはよく知らないんですけどね。

 ―これから始めてみたいスポーツは。

吉村:やりたいと思ったことはすぐにやるのですが、フェンシングをやってみたいです。

 ―新しく学んでみたいことは。

吉村:スポーツ科学です。いま自分が学んでいるのは理系で情報のことばかりなので。筋肉や関節の動きだったりを学んでみたいです。

 

 大学での4年間、アメフト部で一緒に頑張ってきた若い友人が夢を追いかけるのを全力で応援するのはもちろんです。

 僕はプロスポーツ選手のすごさ、その座をつかむことと継続する難しさをある程度理解しているつもりなので、少しでも何かの役に立てればいいなと思っています。

東京・東伏見の早大グラウンドでトレーニングする吉村優選手=中村多聞さん提供
東京・東伏見の早大グラウンドでトレーニングする吉村優選手=中村多聞さん提供

 

吉村 優(よしむら・ゆう)プロフィル

・身長178センチ、体重82キロ

・血液型O

・野球の社会人クラブチーム「REVENGE99」所属、背番号16、投手。球速は最高145キロ

・現在ゴリゴリバーガータップルーム勤務

・早稲田大学大学院基幹理工学部、情報理工学科、基幹理工学研究科、情報理工・情報通信専攻。主に人工知能を用いたサービスを研究している

中村 多聞 なかむら・たもん

名前 :中村 多聞 なかむら・たもん

プロフィール:1969年生まれ。幼少期からNFLプレーヤーになることを夢見てアメリカンフットボールを始め、NFLヨーロッパに参戦しワールドボウル優勝を経験。日本ではパワフルな走りを生かして、アサヒ飲料チャレンジャーズの社会人2連覇の原動力となる。2000年シーズンの日本選手権(ライスボウル)では最優秀 選手賞を獲得した。河川敷、大学3部リーグからNFLまで、全てのレベルでプレーした日本でただ一人の選手。現在は東京・西麻布にあるハンバーガーショップ「ゴリゴリバーガー」の代表者。

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